コラム
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2018/1/19
1697    1977−2017

平成29年12月、スター・ウォーズ「最後のジェダイ」を観てきました。ここで一言。やはりスター・ウォーズは凄いです。最後のジェダイはルーク・スカイウォーカーのことですが、第一作目の1977年で登場してから40年目となります。この映画の主役がいなくなる展開は予想していましたが、そうなると寂しい感じがします。

映画の中で今は伝説のジェダイとなっている彼に対して、「若きスカイウォーカー」という言葉が登場しますが、このセリフが印象に残ります。伝説の彼ですが、今も「若い」存在なのです。「若い」存在とは、今も自分の生き方に悩み、自分の経験を後輩にどう伝えるべきか悩んでいるのです。今も若いころと同じように悩みがある。それを彼のマスターは「人生の主人公はいつまでも生き方に迷い悩むもので、人生の主役でいるためには若さが必要である」ことを悟らせてくれます。

もう若い人を指導する立場にあっても、若いころと同じように人生のあり方について悩んでいるのです。経験を重ねていくと、何もかも分かり仙人のような存在になれるものではないのです。風貌が変わり何歳になっても人は同じで、葛藤があるから何歳になっても成長していくものだと思うのです。

1977年にスクリーンに登場した彼はヒーローになり、登場していなくてもルーク・スカイウォーカーがこの映画の主役であり続けました。そのヒーローが消えてしまった時、1977年から2017年まで、そして16歳から56歳代までの間、同じ時代を生きてきた一人としてとても寂しく感じました。

ルークからレイへと次の世代に主役が交代していく姿が描かれ、常に時代は変わっていくことを知らされたように感じます。「若きスカイウォーカー」が年老いて世代交代していく姿から感じたことです。

そして彼は若い世代が自立していくために、最後の力を振り絞ってダークサイドとの戦いに挑みます。それはかつて自分を育ててくれたマスターが、自分の存在を消すことで正義を貫くことを教えたことと同じ姿でした。自分が悪と戦う覚悟と姿を後継者に見せることで、善悪を持っている心ですが、善の心、つまり正義を貫くことを教えたのです。人はいつまでも子どもを成長させるために傍でいられる訳はないので、自立させるために主役の座を譲る必要があること教えてくれます。

全ての経験を伝えることはできないのであれば、自分の生き様を見せて引き継ぐことも「あるのかな」と思います。映画の中に、代々引き継がれてきた「ジェダイの教え」の書物を焼くシーンがありました。これはノウハウを書物で伝えることよりも言葉や練習、行動力で伝えることで、伝えたい人により伝わることを知らせてくれたのです。

過去を超すことは大事ですが、過去に得た経験を引き継ぐことはもっと大事なことです。経験を伝えるために必要なことは、覚悟と生き様を貫く姿を見せることです。「若きスカイウォーカー」は、そこの教えを伝えてくれました。

1977年、高校1年生だった僕が観た「スター・ウォーズ」は若い力が活躍する希望を伝えてくれました。2017年の「最後のジェダイ」は若い人に経験を伝えることが希望をつなぐことだと教えてくれました。