コラム
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2016/12/26
1673    雑感=人生訓

水彩画教室を主宰している玉岡泰治さんの日常が素晴らしいのです。水彩画展を終えた後、自宅を訪問し日常の出来事を記しているファイルを見せてもらいました。これだけ真剣に毎日を生きている人と懇談できた時間はとても素敵でした。その日の出来事を雑感として日記に書いているのですが、心の中身を文字で詳細に表しているのです。

その日思ったことや感じたことを素直に書いているのです。例えば「マイナス思考なのでプラス思考にしなければ」、「口論をしたことの原因と反省」、「入院中の感想」など、日常の瞬間を見事に切り取って表現しています。

その中で嬉しい記事も見つけました。「片桐さんが県議会に初当選をしました」という日の記述です。それは県議会に初出馬をした時の平成17年4月の統一地方選挙の日の記述でした。開票日は地元テレビで当確が出たのですが、その後は得票が伸び悩み、冷や冷やしたことを思い出しました。その日の日記にも得票数が記されていて、玉岡さんが心配して見てくれていたことが分かりました。多くの人に支えられて三期目を迎えられていることを改めて認識し、多くの人に応援してもらって支えられていることの幸せを実感しました。

また初めて個展を開催した日の様子も書かれていました。開催前の緊張感、開催時の充実感と喜び、そして個展を終えた後の反省など、その時の気持ちが描かれています。読ませてもらいましたが、昨日の出来事のようにとても新鮮な感じがするのです。

言葉は生き物だと思っています。その時に書いておくのと、後で書き記すのとでは言葉の明らかに鮮度が違うのです。その出来事があったその日の内に気持ちを書くと、実に素直で新鮮な言葉でノートが綴られることになります。しかし後日、その出来事を思い出して書いた場合は、少し鮮度が落ちてしまいます。

今回のファイルのように10年後に読み返してみると余計に分かります。その時の出来事をその日に書き留めているので、書かれた言葉が実に活き活きとしているのです。読んでいてその時の光景と心情が分かったので、とても楽しくなりました。

玉岡さんが残しているこのファイルは宝物だと思います。玉岡さんにとっても宝物ですが、玉岡さんの周囲にいる人にとっても宝物だと思います。自分が経験したことを生きた言葉で書かれたことは、読む人にとって人生の教訓になりますし先輩の生き方を知ることは人生勉強になるからです。読み手にとっては玉岡さんの伝記のようなファイルで、人生の教訓が満ち溢れています。後から書くことは出来ないものですから、人から学ぶ姿勢を持っている人にとって、このファイルは宝物のような価値があると思います。

自分が生きている様を言葉で残している人は信頼できる人物ですし、簡単ではないことを続けている人は信頼できる人だと思います。玉岡さんが書き記しているファイルのタイトルは雑感ですが、雑感とは人生訓だと思います。感じたことを感じた通りに書いているので、嘘や飾りがないからです。嘘も飾りもない毎日の出来事は後輩にとって見習うべき道となっています。

他にも玉岡さんは英語で日記を10年間記しています。「これは大変ですね」と尋ねたところ、「今では早い時は3分ほどでこの日記を書くことができます」と答えてくれました。もう凄い人としか言いようがありません。人の生き方を書いたものを読むのは楽しいことです。