コラム
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2016/11/16
1668    立方体

偉人とは「誇りを残した人のこと」と教えてくれました。偉人と良きばれる人は故郷に誇りを残してくれています。後輩である私達はその誇りを感じ、学び、引き継ぐことが求められるのです。ですから偉人を知り、偉人の功績を知り、そこから「負けても、負けても」時代を創るために紛争し続けた生き方を学ぶことが大切です。負けても、負けても、最後に勝利した人の生き様から学ぶことが出来ます。郷土の偉人を学ぶことで、偉人達は生き様を教えてくれるのです。

誇りを持つことは恥を知ることになります。偉人の生き方が私達の心に響くことで誇りを持つことが出来ます。ですから偉人の生き方を学ぶことはとても大切なのです。特に郷土の偉人は自分が生きている場所で生まれ活躍した存在ですから、身近な人が偉人となっていった人生を容易に知ることができます。郷土の偉人から誇りを学び、自分も郷土に誇りと自信を持つことができます。

そんな偉人の生き方は立方体です。知識を広げることは平面体を広げていくことです。しかし平面体だけで社会を生きることは出来ません。平面体を立方体にするためには経験をすることが必要です。経験は縦軸なので平面体が立方体へと膨らんでいきます。

知識を広げ、経験を積むことで大きな立方体に成長させることが出来るのです。経験とは、自分の領域の外の世界を知ることを言います。自分の行動範囲に留まっていても経験を積むことは出来ません。自分の行動範囲を超えて行動することが実のある経験となります。

例えば外国に行って見聞を広げること。自分よりも優れた人と会うこと。映画を観ることや芸術を鑑賞することも優れた経験です。才能のある映画監督や俳優が演じた映画や才能のある芸術家の奏でる音楽や心を響かせる絵画を観ることは優れた経験です。

和歌山県の誇る偉人である陸奥宗光は外国で見聞を広げたことで経験値を高め、大きな立方体を作り上げていったのです。明治政府内で日本国内しか知らなかった人と差がついたのは当然のことです。世界を知ったことが、江戸時代に列強から締結させられた不平等条約を撤廃することが近代国家の仲間入りすることになると知ったのです。イギリスとの交渉は日本が近代国家の仲間入りするために必要なことだったので、明治26年の演説で国内事情しか知らない政治家達を説得し、不平等条約撤廃のための交渉に挑んだのです。翌年、明治27年7月16日に念願の不平等条約の撤廃を実現させたのです。

郷土の偉人が作り上げた大きな立方体は、このように大きな仕事ができる人物へと押し上げていったのです。立方体の形はアートですから政治家はアートを作り上げるセンスが必要です。そして教育も同じようにアートですから、子どもには知識を広げると共に経験を積ませることが必要です。教師は子ども達が立方体を作っていく支援をする存在なのです。

全国学力テストにおける和歌山県の子どもの国語の成績は、平成28年度も40番台後半と低迷しています。この結果を評価して「和歌山県の子どもの国語力が低い」と評価し嘆く教師がいます。しかし子ども達の全国順位が40番台後半であると言うことは、子どもたちを指導する教師のレベルも全国で40番台後半だと言うことです。府県によって子どもの能力に大きな違いはありません。差があるとすれば、教え方や教える側の力量、教育のレベルの差です。偉人に学び誇りと自信を持って人生の後輩の指導にあたりたいものです。