コラム
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2016/3/22
1641    鮮度が大事

ビジネスで大事なことは、モノが良いことが第一。これがなければ始まりません。

第二は信頼できる人です。信頼できる人とは、正しいことのやれる人、正直な人、真面目な人、人脈を持っているのかなどが条件です。人脈とは例えば直ぐに中央政府につながる人、企業のトップにつながる人など、要人と信頼関係が築けている人は大事な人です。自分が力を持っていることも大事ですが、力よりも人脈がより大事なものです。

三番目はしくみです。しくみとはルールのことでルールを知り、ルール作りをすることが大事なことです。そのためには成功事例を学び、早くて高いレベルのルールを作ることです。誰でもできることはやらない。誰もできないことをやれることが競争に勝つために必要なことで、そのためにはルール作りが大事なことです。

自分でルールを作るとは、技術と市場を結びつけることだそうです。優れた技術があるけれど市場に届けられない人は多いと思います。そんな時、それをつなぐブリッジを作ることがしくみづくりであり、ビジネスで最も大切なことなのです。ブリッジがなければ優れた技術も特許も役に立ちません。抱えているだけで陳腐化していきますから、社会の役に立つことはできないのです。新鮮なものを届けるしくみを作ることが大事なことです。

四番目は調査すること。市場、相手の会社、技術、人物などを調査してパートナーになれるかどうか決定します。特許などの技術の調査はむずかしくありませんが、難しいのは市場調査です。市場規模、売れるかどうかの調査は難しいので、ここで失敗することが大半です。どれだけ優れた特許を有していても、市場がなければ売れません。売れない特許は何の価値もありません。何故なら世界の技術レベルは日進月歩で、今日の特許は、明日には誰でも知っている知識となり、明後日には見向きもされないゴミになっていることもあるという例えをしてくれたように、それほど技術の進歩は目覚ましいのです。

最先端の技術で特許を取得していても数年間大切に持ち続けていると、宝になれるはずだったものがゴミになってしまいます。新しい技術を発明したらすぐに市場に投入する準備を整えることが勝つために必要なことです。先ほどの例えに続いて、技術は新鮮な果物と同じ特性を持っていると話してくれました。

今日食べると新鮮でおいしく食べられますが、明日になれば鮮度は少し落ちてしまっています。明後日まで置いておくとゴミ箱に行くことになります。ゴミにならない間に、早期に市場に投入すべきことが分かります。

中国には5000年の歴史がありますが、その歴史で必要だったものは現代社会に残っていません。いまあるものの中で、電球が灯ったのは約200年前、コンピューターの技術が進歩したのは約50年前。インターネットが普及したのは約20年前。このことは新しい技術が登場すると社会は変わってしまうということです。大切に技術や特許を持っていても新しい技術によって社会が変わると、古い時代に対応していた技術はいらなくなってしまうのです。

つい先ほどまで、平成28年を迎えてお正月でした。気が付けば、もう3月中旬になっています。時間の流れはとても早くて、思っているよりも人生は短いのです。ですから「やりたい時にやる」、「やれる時にやる」。この気持ちを持っていることが人生において大事なことです。