コラム
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2016/1/5
1628    言葉と行動

新しい年となる平成28年が始まりました。大晦日は就寝する時であり元旦は目覚めの時であるように思います。目覚めの時は、その前日をリセットして新しい一日を迎える新鮮な朝のように感じます。暖かくて穏やかな元旦を迎えられた幸せを感じながら、一年が始まりました。

年の初めに「今年の目標は?」と質問がありました。質問した人は「私は行きたいところに行くことが目標です」とはっきりと伝えてくれました。一年の初めに目標を掲げることで、それを実現する道が開けます。目標がなければ何をしようか、何を目指そうかと彷徨っているばかりで一年が過ぎてしまいます。

行きたいところに行くこと。それはそこに興味があるからであり、チャレンジすることの意欲を感じます。若い頃は外国に行くことや都会に行くことに憧れましたが、年齢を重ねると、徐々にその気持ちが薄らいできます。「行きたいところに行きたい」という気持ちは若さの象徴のような感じがします。

ところで僕の平成28年の目標は、「言葉と行動」にしています。

言葉は心を映すものです。言葉として発するのは心がそう思っているからですから、自らの心に光を当ててから言葉にしたいと思います。そして言葉に発したことは生命を与えられたことになりますから、自らの行動に影響してきます。最初に心があり、言葉として生命を与えられてから行動に移ります。言葉を大事にすれば、それに応じて行動が定まります。

ですから言葉は明るくて希望のあるものにしたいと思います。こうしたいと心で思うことは、まだ自分の現実にはなっていないことです。現実になっていないことに対して考えることは、期待と不安の二つです。

これが実現すれば夢に近づけると思うことが期待。これが実現しなければどうしようと思いことが不安。人は自分が思ったことに対して、期待と不安の両方の可能性があるという未来を描いているのです。思ったことは行動にしてみなければ結果は分かりません。期待通りになるのか、不安が的中するのかはやってみなければ分からないのです。

しかしやってみる前に不安の方が大きく膨らむことが多いのです。それはやってみて変わることが期待ですが、人は現状のままいることが安定だと思っているので、期待しながらも思いが実現して自分の置かれた環境が変わることを恐れているからです。やりたいこと、実現したいことが大きなことであればあるほど、期待しながらも期待通りにならないことも期待しているのです。

明日、夢だったコンサートホールに主役で立てることになったとします。「果たしてやれるだろうか」、「失敗するのではないだろうか」など、きっと不安で逃げ出したくなると思います。

選挙で結果が出る前日は「大丈夫」と思いながらも、「どうなるだろうか」という不安に襲われます。期待している未来の到来を待ちながらも、不安が心を支配しようとするのです。

それを打ち消すには、やりたいことを言葉に発して行動に移す以外にありません。人は動いていると不安になるようなことを考えませんが、止まっていると不安になるようなことを考えてしまいます。

思ったことを言葉にして行動を起こすこと。簡単なようで難しい目標ですが、平成28年はこれを目標に掲げ、一年を通じて達成します。