コラム
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2015/12/14
1624    五郎丸選手

2015年ラグビーワールドカップで活躍したラグビー日本代表の五郎丸歩選手。日本に感動を与えてくれました。予選リーグ初戦で南アフリカを破った時は「信じられない」という現実とは思えない感じがしました。その後の予選リーグも勝つと思える戦いをしてくれました。これまでのラグビーワールドカップで日本代表チームが勝てるとは思えなかったから、今回の日本代表チームの実力は過去最強だったと思います。

そんな最強チームで得点源となった五郎丸選手の記事があります。「今を変えない限り、未来は変わらない」(朝日新聞。平成27年12月3日夕刊)という記事です。

当時のジョン・カーワンヘッドコーチは2011年の合宿で「未来、現在、過去」とホワイトボードに書き、「過去は変えられるか」と質問をしました。五郎丸選手は「変えられない」と答えました。「では、未来は変えられるか」という質問に対しては「変えられる」と答えたところ、「違う」という回答でした。

ヘッドコーチは「お前が変えられるのは現在だけだ。今を変えない限り、未来は変わらない」と話したのです。

五郎丸選手は「ひっかけ問題みたいだな」と感じたようですが、2015年にそれを現実に変えました。「ジョン・カーワン時代の代表では、自分の努力が足りなかった。先を見ずに一日一日、一瞬一瞬をしっかりと積み重ね、この4年間の「現在」を変えた結果が、南アフリカ戦なんです」と答えています。

続けて「目の前のことを100パーセントやりきることだけが未来を変える方法だ」とつないでいます。

素晴らしい教訓を共感しています。「変えられるのは現在だけで、今を変えない限り未来は変わらない」ということです。未来は変えられると思っていましたが、未来は届かない先の時間です。未来を変えるためには現在を変える以外にないのです。現在は自分の意思と行動で変えることができる唯一のものだからです。現在を変えることができたなら、未来は変わります。同じ時間帯に同じ出来事は出現しないからです。現在において一つの選択をすれば、選択すれば現実になる可能性のあった出来事は失われます。現実は常に自分が選んだ一つの出来事だけが現実化します。

車で走っていて分かれ道を右に行けば、右の道路に広がる光景を見ることができます。左の道路沿いの景色を見ることはできません。

現在、議会の一般質問原稿を作成していた場合、誘われていた懇親会に出席することはできません。このように、現在、選択した結果が現実として自分の前に出現してくれます。

過去と未来は代えられないのは、自分がその地点にいないからです。自分がいる地点は常に現在ですから、自分の意思と行動で変えられるのは現在だけなのです。だから現在を変えることが未来を変えることになるのです。そして現在は一瞬、一瞬のつながりです。この一瞬が変われば、その次の瞬間も変わっていきます。

今日という一日を自分の意思と行動で生きるなら、未来は変わることになります。この一瞬の方向を変えたなら、この先のベクトルはこの位置からずれていきます。現在を生きることは今日を生きることであり、生きた結果が未来になっていきます。