コラム
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2015/12/9
1623    格好良い

平成27年11月の冬の日のお昼、とても凛々しい経営者のMさんを含めて数人の方と喫茶店で打ち合わせをしていました。それぞれが注文したコーヒーをお店の人が運んでくれて、伝票をテーブルに置きました。通常は打ち合わせを終えてお店から出る時に支払いを行いますが、Mさんは咄嗟に伝票を受け取り、その場で支払いを済ませてくれたのです。その姿が「これがスマートで仕事が出来る大人」という感じで、とても格好が良かったのです。

それは自然な行為で、普段から誰に対しても同じような行為をしていることが伺える姿でした。人は普段やっていないことは様になりません。慣れない行為や服装を着ると不似合に映ることがあります。普段の行動が様になる行動だと思います。Mさんの取った行動は自然な格好良さであり、人間としての余裕を感じました。この余裕の行為と自然な格好良さが人間力というものです。

格好の良い人はこんなところで分かるものだと思いました。行動に余裕とゆとりがあること、それが自然であることは、とても格好の良いことです。もし人数が多くて支払いを躊躇するようであれば、格好良い姿には映りません。普段から割り勘や人に支払いを任せている人が、同じ行為を取ったとしても、それは格好の良い姿には映らないと思います。普段の行為がその人の人間力を形成していくのです。普段は支払いに細かい人が、みんなの前で格好良いフリをしても様になりません。伝票をサッと取れない人も格好が良いとは言えません。行為には自然な流れというものがあり、そんな普段取っている自然な流れが最も格好が良いのです。

それにしても、支払いの姿を格好良いと思ったのは初めてです。伝票が来たのを受け取って店員さんにお札を手渡すという一連の行為が格好良いのです。きっと仕事の姿も遊びの姿も、オフの姿も、人と接する姿も、とても格好が良いと思います。

先輩が後輩に対して、上司が部下に対して、友人に対して、懇談会の後などの場を自然とリードできる人は凄いと思います。そんな人が憧れの人物となり、若い人たちが育っていくと思います。

格好の良い大人。今日のように接していても、人から噂を聞いても本当に格好の良いものです。格好の良い経営者とご一緒できたことは嬉しいことであり、こんな人になりたいと思いました。確かに人間力というものは存在しています。

人を安心させる人間力とは次のようなものだと感じました。

  • 会話にとても余裕があります。決して自慢することもなく、自分の仕事を誇ることなく、人の話をしっかりと聞く姿勢を持っています。
  • 次の予定があり時間が限られているけれど、今のこの時間にゆとりを持っています。ここにいることで安心感を与えてくれます。
  • とても謙虚で周囲に凄い人とは思わせません。他愛もない話にも安心感を与えてくれる笑顔で対応できることです。
  • 格好良く支払いができること。「お金を切ることができる」という表現がありますが、お金を切れる感覚を持っていることが大事です。

格好良い人は、こんな人間力を持っている人だと思うのです。