コラム
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2015/11/30
1619    コントロール

「私は自分がコントロールできることだけを考え実行します。だから自分がコントロールできないものには関心がありません。だからコントロールできない仕事はやりませんし、依頼されても引き受けません」と友人の経営者がきっぱりと話してくれました。

仕事をするに際しては、やりたいことを全て実現したいと考えます。その場合、自分が手掛けられる部分はやれますが、自分がコントロールできない部分まで何とかしようと考えます。しかし自分がコントロールできないものに関わっていても解決することはありません。

仕事をしている時に自分が持っているものに関してはコントロールできますが、相手だけが決定できるものに関してはコントロールできません。相手が「NO」と返答すれば、そこから先に進むことができないのです。相手がどんな返事をするのか、あれこれ考えていても結論を出すことはできません。

何故なら、相手の内心を自分がコントロールできることはないからです。相手の支配下にあるものを動かすことはできませんし、自分のものにすることはできません。ですから自分がコントロールできることだけを考えるべきなのです。

もう一つあります。自分の専門分野のことに集中することです。専門分野外のことをどれだけやろうとしても、専門家に勝てるのは稀だと思います。専門分野外のことをあれこれ悩むよりも、専門家に任せる方が優れた判断だと言えます。自分の専門分野外のことをコントロールしようとしても、やはりコントロールできないのです。

この場合は、専門家に良い方法を聞くことや、仕事のパートナーとして組むなどの方法を取りたいものです。

そうすれば自分がコントロールできる仕事に集中できます。

キャッチボールでも、自分がボールを投げる時はどこに投げるか決めることができます。相手が投げるボールはどこに投げてくるか分かりません。自分がボールを投げる時はコントロールできますが、相手の投げるボールをコントロールすることはできません。「あなたのボールは受けにくい」と相手に文句を言ってもどうすることもできません。

それなら自分が投げるボールを相手の取りやすいところに投げることで、相手に気づかせるなどの行動をすべきです。自分が投げるボールは自分で決められますから、これは自分でコントロールできることをしているのです。

このように、自分がコントロールできることに集中することが仕事を成功させる秘訣です。コントロールできないことを考えていても自分の思うようになりませんから、考えている時間は無駄になります。時間は限られていて、しかも自分のものだから自分が支配できることに使うべきです。

冒頭に書きましたが、その台詞を繰り返します。

「私は自分がコントロールできないものには全く関心がありません。コントロールできないことを追いかけても、どうしようもできないからです。友人、人脈、自分の専門知識、これまでの経験からできることだけを考えて失敗しないようにしています」。そんな話をしてくれました。

自分がコントロールできることに集中する。結果を出すための秘訣です。