コラム
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2015/7/6
1596    人は鏡

朝の経営者セミナーに参加して、はっと気付かされることがありました。それは鏡の法則です。向き合っている人は自分を映している鏡だという法則を改めて気付かされました。

次のような文章に出会い、眠い眼から目覚めました。

「人は人。自分は自分と、別々のいきものだと考えるところから、人の世のいろいろな不幸がきざす。実は人はわが鏡である。自分の心を写す影像にすぎぬ。山彦のよべば答える。それにも譬えられる。にこにこして話かけると、相手は笑みかけて答える。大声でどなれば、むっとしてにらみかえす。物売りが来る。イラナイトと、つっけんどんに言うと、ピシャリと戸を引きしめて出て行く」という文章です。

まさに鏡の法則を述べてくれています。人間関係とは難しいもので、親切にしているつもりでも、その思いや動きが伝わっていないことがあります。依頼された案件に対して答えを返すのはたった一言でも、その一言のために、どれだけの時間と資金を費やしているのかを知らない人が多いのです。一つの案件を解決するために動くことがどれだけ大変か、それを分からない人が多いのです。

依頼する立場の人の労力は極めて低いのです。困ったことや、やりたいことを誰かに依頼するだけで良いのですから。ところが依頼を受けた側は、何とか実現させたいと考えて行動するため、自分の時間を割くことになります。

それでも出来ないことがありますから、結果を伝える言葉は「何とかしようとしたのですが出来ませんでした」ということになります。依頼した人は内心、「私が頼んだのに出来ないなんて。もう頼むことはないし信頼できないと」呟きます。

気楽に頼む人は実に自分勝手なのです。依頼した人は気楽に頼むから、相手も気軽に答えを返していると思っているのです。多くの場合、依頼する人は人にお願いばかりする人なのです。お願いをするばかりなので、依頼された人がどれだけ大変な思いをして依頼に応えようとしているのかを知らないのです。自分が気楽なので相手も気楽に見えてしまうそうです、まさに鏡の法則の通りです。

依頼する人で困った人がいます。依頼したことが上手く行かなかった場合、依頼した相手を批判するような言動と態度を取ることです。自分で出来ないことを依頼しているのだから、できなくて当たり前と思っているなら、依頼した相手を批判することはありません。自分が依頼したのだからやってくれて当たり前だと思っているから、できなかった場合に批判するのです。実に度量の狭い、そして鏡の法則を知らない人だと思います。

依頼してできなかったとしても、何とかしようと動いてくれたのだから、「ありがとうございます」と挨拶をすべきです。それが依頼した人に対する礼儀であり、信頼されている人なら取るべき立場です。

信じられないのは、依頼に対して親切に動いてくれた人を批判し、陰口や悪口を言う人です。結局、陰口や悪口を言う人は信頼されない人ですし、仮に陰口や悪口を真に受ける人がいたとしたら、その人も同じようにレベルの低い人です。

人は自分を写す鏡だと思っていれば、決して人を批判することや悪口を言うことはしない筈です。批判には信頼を失わせるという結果が返され、笑顔には笑顔が返されます。