コラム
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2015/6/23
1594    今やる人

元西武ライオンズの豊田清投手が全日本大学野球代表チームのコーチとして仙台大学の熊原投手に掛けた言葉が凄いと思います。偶然記事で見かけたものですが、次のような言葉のやり取りがありました。

豊田さんが熊原投手に掛けた言葉で、最も衝撃を受けたというのがエレベーターホールの前でのこのやり取りだった。

「熊原、この狭いスペースで、お前なら何をする?」。
「えっ……」。
「オレならここでトレーニングをする。要は、野球は環境じゃないということなんだ。どこにいてもやれることはいくらでもある。やらないヤツは理由をつけてやらないだけ。プロになれる選手なんて、ほんの一握り。その一握りの選手は、絶対に言い訳をしないし、必ず努力している。やるかやらないか、その違いだけなんだよ」。

以上のような短い会話ですが、私達にも参考になることがあります。プロ野球を目指している素質のあるアマチュア選手の中で、プロになれる選手とそうでない選手の違いは、たったこれだけなのです。やるかやらないかの違いがあるだけだと言うことです。

自分に対して絶対に言い訳をしないこと、努力をすること。自分に言い聞かせたいことです。やっていないことは誰も気付かれなくても、自分では分かっていますから、自分には言い訳をしたくありません。誰も見ていないからやらない。でも人には分からないけれど自分には分かるのだから、やれることはやる。今できることはそれだけです。

「やろうと思えばやれる」と言う人がいますが、やろうと思う時期は、今この時ですから、この時にやれないのは、「やらない」のではなくて「やれない」のです。つまり「今やれることを今やる」ことが能力であって、「やろうと思えばやれるけれど」は言い訳に過ぎないのです。

そうです。やらない人は理由をつけてやらないだけですが、決して、やらない理由をつけてやらない人にならないようにしたいものです。

ライバルは他人ではなくて自分です。「昨日の自分よりも0.1パーセントだけ凄い自分になる」。そんな言葉を聞いたことがありますが、昨日よりも今日の自分が0.1パーセントだけでも先に行けているなら、それは凄いことです。0.1パーセント進むと言うことは、自分には明確な目標があり、そこに向かって確実に近づいていることが実感できているからです。

目指すべきものがあって、やろうと思うことでやれるのです。やろうと思わなければやれないのです。思うか思わないかの違いが大きな差となって、やがて現実として自分の前に現れます。機能よりも前進している自分が今日存在しているか。機能よりも後退した自分が今日存在しているのか。それを決定づけたのは他ならない自分の意思の力なのです。

無理する必要はありませんから、今出来ることをやる。それだけです。繰り返しますが、「やろうと思えばやれるけれど」は言い訳です。やろうとしない人は、「やらない」、「やれない」のです。明日の自分を創るために、今やる人になりましょう。