コラム
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2015/3/19
1582    「魔法」

大学教授、ピラティスのインストラクター、そして私の三人で「魔法」について話し合う機会がありました。この世の中に魔法は存在することを確認することができました。魔法が存在する理由について紹介します。

【ピラティスのインストラクターの話】

JAFで過去に優秀従業員として表彰された人と話をしたことがあります。道路上で車のトラブルが発生した時、JAFの出番です。

特に夜間において車にトラブルが発生した現場で待機している時、ドライバーのイライラ感は頂点に向かっています。そのイライラ感の頂点がJAFが現場に到着した時と合致することが多いようです。現場に到着した途端、「遅い、何をしていたんだ」だとか「いつまで待たせるつもりだ」など、やり場のない怒りをトラブルと何の関係もないJAF職員さんにぶつけることになります。JAFはトラブルと何の関係もなく、むしろ助けに来てくれた恩人なのですが、ドライバーからは怒りの対象となってしまっています。

ピラティスのインストラクターの彼女は、現在幹部になっているこのJAF の職員さんから「そんな時、相手の怒りを静める魔法があるのですよ」と教えてもらいました。

その魔法とは「笑顔」なのです。どんなに怒っている相手でも、現場に到着した時、ドライバーに笑顔で接近すると、その相手は怒る先がなくなってしまい、笑顔の相手に対応する態度になってしまうのです。悪いことをしていない笑顔の人に対して、怒りで応える人はいません。魔法の一つは笑顔なのです。

【大学教授の話】

新聞記者をしていた時、毎日のように苦情の電話が掛かってきました。掲載記事に対する苦情は厳しいものが多く、長時間粘られることや怒りが鎮まらない読者もたくさんいました。

そんな時、先輩記者から教えられたことがありました。怒りを静める魔法の言葉があります。その言葉は「おっしゃるとおりです」という言葉です。相手の言うことを頭から否定しないで、まず「あなたの言うことを理解しています」という姿勢を示します。苦情を言っている相手は「自分の言うことを聞いてくれる姿勢がある」ことを感じ、話を進めることになります。その後、「しかし」と自分の主張を述べることで話し合いに持ち込むことができるのです。

苦情を鎮める魔法は「おっしゃるとおりです」という言葉にあります。

【私の話】

選挙戦を戦っていて三期目を迎えて気づいたにことがあります。初対面の相手の自宅を訪問した時、知らない人の訪問ですから、当然、相手は警戒します。難しい顔の人、無表情の顔の人、怪訝そうな顔をしている人など、「雰囲気がまずい」と思う時があります。これまでは「早く挨拶をして引き返そう」と思っていたのですが、今回は難しい態度の人に対しても笑顔で握手をすることにしています。

そうすると反応が違ってくるのです。難しい顔の人も無表情の人も、怪訝そうな人も、表上を崩してしまうのです。警戒心を解くような、少し恥ずかしいような、照れているような笑顔になってくれます。笑顔と共の握手は魔法です。