コラム
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2015/2/10
1579    やっぱりイチロー

2015年のシーズンをマーリンズで戦うことになったイチロー選手。入団が決まった時の記者会見はやっぱり凄い。「応援してください、という気はない。応援してもらえる選手であり続けたい」。入団会見でのイチロー選手のコメントです。

私達は「応援をよろしくお願いします」と言うことがあります。政治家をしていると「皆さんからの応援をお願いいたします」と言ってしまうことがありますが、応援してもらうことを依頼するのではなくて、応援してもらえる政治家にならなければならないのです。

「応援してもらえる人になるためにはどうすべきか」。これこそ私達が考えるべきテーマです。日常の関係を大切にする。会う機会を増やす。行動をし続ける。言葉を発信し続ける、などの行為が思い浮かびます。2015年の統一地方選挙の前だから余計にイチロー選手のすごさが沁みてきます。

「応援してもらえる政治家であり続けたい」。2015年はイチロー選手の言葉を借りて統一地方選挙を戦います。

マーリンズへの入団会見の時の特集記事で過去のイチロー選手の言葉が紹介されていました。その中からふたつの言葉を紹介します。

2009年のことだったがイチローは首位打者をツインズのマウアーと競っていた。ある記者が『今日のマウアーの成績が気になるか』と聞いたところ、『全く気にしない。自分のコントロール外のことだから』と答えた。
タイトルとは、ライバルとの相関関係によって決まる。打率330で首位打者になれることもあれば、打率が350でもダメな時もある。制御不能な相手の成績を気にするより、自分がやるべきこと、できることに集中したほうが遥かに生産的だし、無駄なストレスも少ない。この年、イチローは.352だったが、マウアーはその上をいく.365。結果的にタイトルを手にすることはできなかった。しかし、自らの事をやりきったイチローに後悔の念は少なかったのではないか。

ライバルの動向は気になるものですが、ライバルの動きを自分が制御することはできません。自分で制御着できないことを気にするよりも、自分ができることを実行することが大事なことです。

2013年に日米通算4000本安打を達成した際は、『4,000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8,000回以上は悔しい思いをしてきている。それと常に自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね』というこれぞプロ中のプロだと感じさせる発言をした。

この悔しさを感じる姿勢こそ、イチロー選手が高いところで活躍している原動力になっていると思います。4,000本安打を打ったことに満足するのではなくて、8,000回の失敗の悔しさを感じられる心が、これからは成功できる可能性のあった打席の失敗を少なくしようとするのです。

「人から応援してもらえる存在でいること」、「自分で制御できることを実行すること」、「たくさんの上手くいかなかったことがあるから、少しだけ上手く行くことがあること」。イチロー選手の言葉に今年も励まされます。