コラム
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2014/9/22
1533    一日の終わりハッピーに

日本経済新聞朝刊(平成26年9月18日)に掲載されていた記事がとても参考になります。「一日の終わりハッピーに」という野球評論家である権藤博氏の記事です。野球の投手の交代時期のことを指して「権藤さんはピッチャーに恥をかかせないんですね」という解説者の小宮山悟氏の言葉から始まります。その答えを権藤氏が解説しています。

「投手は打たれたまま降板するとあとに響く。曲がりなりにも打者を打ち取って降りれば、打たれた傷口も生傷でなく、かさぶたになる。ここが肝心だ。小さな勝利でいいから、一日の終わりだけは気持ちよく。長年の指導者生活で私はそこに心を砕いてきた。6回、7回と続投させて打たれ、イニング途中で後退する羽目になる。救援陣に助けられて勝っても、成功体験にならない。続投させたいのを我慢し、無傷で降ろすのが正解。酒でも何でも切のいいところがある。しかし、そこでやめるのが案外難しい。いい例としてソフトバンク・秋山幸二監督の采配を挙げたい。彼は投手起用に未練も欲も持たない。切の良さだけを考えている。9月13日のロッテ戦。6回のイニング途中にはなったが、四球を与えた先発、中田賢一投手がバントアウトを取ったところで降ろした。犠打でもアウトはアウトだし、あの踏ん切りは見事だった。ダメな一日でも、終わりがハッピーなら明日も前向きになれる。勝負の世界でなくても大事な点ではないか」という記事です。

権藤博氏は元投手であり、名投手コーチとして名前が響いています。勝負の世界に生きている氏が、勝ったとしても勝ち方が大切であることと一日の終わりをハッピーにすることが大事だと伝えてくれています。成功体験、つまり明日への自信になるような勝ち方をすべきだと伝えてくれています。そしてうまく行かない一日があったとしても、一日の終わりをハッピーだと思えるようにすれば明日は元気にスタートできることを教えてくれています。

一日の終わりをハッピーにする方法はひとつだけです。その日に幸せだと思ったことを思い出すこと、もし幸せな出来事がなかったとした場合でも、心で幸せだと無理やりにでも感じることです。心で感じることは自由ですし、自分の心ですから幸せな出来事を創ってしまっても良いのです。

それでも見つからなければ、その都度、同じことを思って幸せに浸っても良いのです。幸せだと思えることは、食事ができたこと。朝目覚めたこと。(友人との)会話を楽しんだこと。(嫌なことがあっても)仕事ができたこと。読書をしたこと。コーヒーを飲んだこと。電話でお話したことなど、何でも良いのです。それがなければ生活できないこと、食事を取ったことや眠れたことなどがありますから、それを幸せと感じると良いのです。一日の終わりをハッピーな出来事と心で締め括ることは、明日を気持ちよくスタートできることになります。

寝る前まで嫌な思いを引きずっていると、その思いは睡眠の中で膨らんでしまいます。翌朝目覚めた時、不愉快な朝になっていることになります。不愉快な一日の始まりは、その日の自分の気持ちを支配してしまいます。そうすると、その日もハッピーな出来事と出会うことはなくなります。ハッピーな出来事と出会うためにはハッピーな気持ちでいることが必要です。ハッピーな気持ちは、ハッピーな出来事やハッピーな言葉を引き寄せてくれるからです。明日の幸せを招くためにも、一日の終わりをハッピーな気持ちで締め括りたいものです。