コラム
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2014/9/18
1532    社会人基礎力

富山県立大学を視察した時に説明してもらった資料があります。富山県立大学は理系で、その特徴は年度によって異なることがありますが、就職率が100パーセントになっていることがあげられます。就職指導に優れていると思っていたのですが、大学側からは「人間力の指導をしていると当たり前のように就職率が高くなっていたので、特別意識はしていない」ということでした。普段の学生生活の中で自然に就職指導ができている環境が強みだと感じました。

就職指導で活用している「大学生のキャリアデザイン〜自分らしいキャリアを築くために〜」という指導冊子があったのでいただきました。指導というよりも自分でこの冊子に書かれていることを埋めていくワークシートのようなものです。

この冊子の中で、社会人の基礎力として3つの能力と12の要素があることが紹介されています。経済産業省が示した基準のようなものですが、大学生目指すべき姿であると同時に社会人として身につけておきたい能力でもあるので紹介します。

  1. 前に踏み出す力
    • 主体性。物事に進んで取り組む力。自分の実力と言えるもので能力の基本になります。
    • 働き掛ける力。他人に働き掛け巻き込む力。これは人の力を活かすために必要なもので、自分の実力以上の力を発揮することにつながります。
    • 実行力。目標を設定し確実に行動する力。簡単なように思いますが、とても難しい力で社会人でも実行できている人は少ないと思います。でも実行できたら最大の武器になります。
  2. 考え抜く力
    • 課題発見力。現状を分析し目的や課題を明らかにする力。
    • 計画力。課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力。
    • 創造力。新しい価値を生み出す力。
  3. チームで働く力
    • 発信力。自分の意見を分かり易く伝える力。
    • 傾聴力。相手の意見を丁寧に聴く力。
    • 柔軟性。意見の違いや立場を理解する力。
    • 状況把握力。自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力。
    • 規律性。社会のルールや人との約束を守る力。
    • ストレスコントロール力。ストレスの発生源に対応する力。

以上の能力が必要だとしています。これらの能力を身につけていくことが社会で生きることだと言えます。

これらの力を全て身につけている人はいないと思います。社会人で生きることは、これらの能力を日々高めていくことです。完成されていない人間が、社会で生きていく中で人間性を完成に近づけていくことが公器の中で生きることなのです。20歳代の時にこれらの力が必要だと認識し、これからの生活において高めていくことを目指せることは幸せなことです。社会人の基礎力として必要なことを知って仕事をすることで、社会人としての力を身につけられます。仕事を通じてどこの会社でも通用する力を身につけたいものです。