コラム
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2014/7/10
1496    和歌山をもっと熱く、もっと元気に

つくづく、リーダーには言葉が必要だと感じています。4年間に亘り、和歌山をもっと熱く、元気にするために、部下に対して毎月一つのメッセージを送り続けたOさんが和歌山を去りました。月の初めに届けていたメッセージは、「私達には使命があること」、「自分自身の成長を促すこと」、「お客さんの立場で考えること」、「逆境における心の保ち方」などのテーマで発信し続けていました。

ビジネスとしても人のあり方としてもとても興味深く、楽しいメッセージばかりです。直接、メッセージを説明する場面には出ていなかったのですが、とても素晴らしいメッセージなので、Oさんに依頼してメールで届けてもらっていました。

リーダーの言葉は部下を励まし、勇気づけ、そしてやる気にさせ、お客さんに立ち向かわせる力が宿っています。メッセージに熱意と行動を促す力が宿っているのです。毎月月初めの会議を単に報告会の場にしていると、部下に影響を与えることはできません。指標や改善数値から業績は分かっても、人柄や思いは伝わってこないからです。経営指標となる数字はとても大事ですが、数字に込められた意味、目指すべき数字の意味を説明して初めて、数字が生きてくるのです。もし経営的な数字を覚えていたとしても、それをそのままお客さんに語ったところで「それで??」となるだけです。お客さんは自分のことをどう思ってくれていて、何をしてくれるのかを期待しています。人として、お客さんである自分に伝えてくれる言葉を待っているのです。

お客さんに向かっていく勇気ややる気は、経営者がそうであるように経営的数字を高めることを目標にしても出てきません。それよりも、奮い立たせる言葉や成長させてくれる言葉が必要なのです。リーダーは言葉を持って部下に語らなければならないのです。そしてできるなら、話すだけではなくて文章にして配布し、説明を付け加えたいものです。リーダーが話すだけでは頭には半分も残らないからです。文章を配布するだけでは多くの人は読まないので、やはり頭に残りません。書いたものを配布して説明することで熱意が伝わりますし、部下の心に熱意ややる気が定着していくのです。

こうして部下を奮い立たせ、活力と業績を上げてきたOさんが、和歌山を去ることになれました。最後のメッセージは「環境変化に対応する心の持ち方」でした。逆境やトラブル、強いストレスに直面したときに適応する精神力と心理的プロセスを意味する「レジリエンス」という言葉を伝えてくれました。

逆境に直面した時、くじけないで回復する力と、折れない竹のようにしなやかな心を持つことが大事だと伝えてくれました。逆境に直面した時に必要なものは折れない心であり、そこから這い上がってやるという心が必要なのです。

最後にOさんが個人宛に素敵なメッセージをくれました。「片桐さんと和歌山で出会えたことをとても有難く思っています。私の心にも和歌山県民のために尽くす気持ちがあります。本当にこの四年間、色々なことがありました。多くの印象的な出来事を、共感をもって多くの人々と共有できたことを本当に幸せに思っています」。熱く語って行動してくれたOさんが和歌山を去りました。立ち去った寂しさを感じていますが、寂しがるのではなくて、和歌山に住む私達が、和歌山をもっと熱く、もっと元気にしなければならないのです。