コラム
コラム
2014/7/3
1491    人生劇場

一源三流という言葉を教えてもらいました。自分という一つの源から三つの流れがあるということです。

では三つの流れとは、『1.友のために涙を流せること』、『2.愛する人のために汗を流せること』、『3.国のために血を流せること』。この三つが三流です。自分という源で居て自分だけが水を得て、涼を楽しむ生き方はいただけないということです。自分という源を持っているのだから、それを三方へ流れを作ることが生き方において大切なことだということです。

そして人生を劇場に例えてくれましたが、自分が主役で良いのですが、主役だけで舞台は成り立ちません。主役一人で演じるには相当な力量が必要です。私達凡人は一人で演じるよりも共演者がいてくれる方が舞台を演じやすいのです。ライバルがいて支援者がいて、黒子役がいてお客さんがいて、そんな舞台構成である方が主役を演じやすいのです。

源とは自分のことですが、三流は友人、愛する人達、国であり故郷であり、自分が生きてい場所のことです。これらの役者が整うことで舞台は完成するのです。そんな人生劇場で主役を演じる時期もあれば、脇役を演じる場面もあります。舞台に応じて演じ分けることも人生なのです。そして絶対に欠かせないものが共演者です。

共演者がいることでシナリオを膨らませることができます。共演者がいると舞台全体を使えますし、時には共演者が舞台を占めている時間があるので休憩時間も確保できます。役割分担ができるので、台詞を覚えるのも動きを覚えるのもその時間を削減できます。

一人で全てをやれるとしても、そんなことをしないで共演者と共に舞台を作り上げていく方が楽ですし、やりがいも楽しさもあるのです。自分という源を一人で確保しようとすれば、流れ出す水を堰き止め続けることが必要ですし、動きのない水は澱んできます。源を澱ませるとそこから生命は満ちてきませんから、一人で泥の中で生きるようなものです。 源から流れ出る道を作ることで澱みはなくなり、大切なものをみんなに分け与えることで共に繁栄することができるのです。奪いあうと足りなくなり、分け合うと余るという言葉がありますが、源を独占しようとすれば淀みが発生し使えなくなりますが、源をみんなに分け与えると清らかな源であり続け、そこから誕生する恵みを共演者と共に共有することができるのです。

そして自分という源は決して枯れるものではありません。自分という源は使えば使うだけ湧き出る泉のようなものです。三流という流れを作り分け与えることで、流れは速くなり水量は増していきます。源から流れ出る川は太く長くなり、三流が肥沃になることで共演者も演じる力が増してくるのです。共演者の実力が高まると、主役である自分の刺激になりますし、演じるメンバー全体の力は高まります。それが人生劇場という舞台のレベルを高めてくれるのです。

人生劇場のレベルが高くなると、それに応じて心も生活も仕事も満たされていきます。源からの水は豊富で、そこから流れる川は肥沃で広大なものへと成長していくのです。自分という源をみんなに分け与えると、更に源から水は湧き出て共演者が増えていきます。共演者が増えると人生劇場の質は高まっていくのです。一人だけで主役を演じるよりも、共演者と共に舞台を演じる方が楽しくて演じる力も高まっていきます。