コラム
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2014/5/27
1465    北京で学ぶ2

考えている段階で、やりとげることを難しいと思うことがあります。難しいと思うのはそれをやったことがないからであって、難しいと思うならやればよいのです。やったことがないなら、やることに意味があります。これも北京で学んだことです。ここへ学びに来ている学生は、やったことがないことをやろうと思ってきているのです。そうでなければヨーロッパやアフリカなどから北京に来ません。日本人も留学していますが、外国人と同じように逞しく過ごしています。握手、大きな声、ジェスチャーなど日本人とは思えない態度で人と接しています。大事なことは自分からやってみること。人と話をして価値観を戦わせること。活動の基本は正義であること。これらのことを感じました。

ところで大学の教室では前の席から埋まって行きます。理由があるからです。一つは前の席に座るということは、自分の意見を言いやすい環境を自分が作れること。もう一つは、後の席に座ると優先的に先生から当てられることです。自分から意見を言うことに価値観があり、指名されて意見を述べることよりも心の中で優先させているのです。ですから前の席から埋まっていき、早く行かなければ後の席になってしまうのです。

世界で学ぶことは、日本では体験できない価値観の中に身を置くことです。北京に行くことがやっていないことに挑戦していることになるのです。世界に戦いを挑む挑戦者の覚悟を持って来ているので、20歳代にして一流の人物になっていくのです。

覚悟や品格、心の強さと思いやりなど日本人が得意としている精神の面でも、世界レベルの人材はその資質を持ち合わせています。日本人だけが生まれながらにして持っているこれらの資質も、これからの世界で活躍する人材が持つようになれば、日本人が精神的に優位に立てる状況ではなくなります。心身を高めることが日本人の長所ですが、心の部分も世界レベルの人材は優れていますから、私達も精神レベルを一流の域に上げる必要があります。

一流の人物を単語で表現します。品格を感じる。覚悟がある。勇気がある。努力できる。温かい。心の強さがある。思いやりがある。見た感じは涼しくてスマートである。ゆとりがある。器の大きさを感じる。礼儀正しい。

一流の人物が決してしないことがあります。自慢話。相手の批判と悪口。人によって態度を変えること。上の人物に弱くて下の地位にいる人物に強い。お金に細かい。タバコやドラッグ。

三流の人物は、一流の人物と反対の資質を持っていて、一流の人物なら決してしないことを日常的に行っています。その差は歴然としているので、接していると分かります。

一流の人物とは、両国のことについて友好的な話ができますし、将来の両国間や世界平和についても話を交わすことができます。争いにならないのですが、それには理由があります。争いから利益が生まれないこと、争いで得をすることはないことを知っているからです。得がないところに徳はありませんから、人物として向上しないところに留まります。何よりも争いから、偶然に怪我をすることや命を落とすこともあり得ます。身体に傷をつけてしまうと一生そのことを後悔することも知っているのです。「喧嘩をしても何も得をすることはない。身体に傷をつけたら取り返せないことになる」という言葉も聞かせてもらい、優れた人物は決して争いをしないことを知りました。