コラム
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2014/5/26
1464    北京で学ぶ

北京視察で学んだことがたくさんあります。中国の首都と呼ぶよりも国際都市北京であり、世界から人材が集まっていることが最大の注目です。優秀な人材が集まる都市というだけで魅力と活力がありますし、人が活き活きとしていることで都市が活き活きとしています。

優秀な人材を集められることが都市の実力であり、国の機関、企業と共に大学がその牽引役となっています。中でも大学は世界中から人材を引き寄せています。優秀な人材が各国から学びに来ている光景は壮観というか、見事というべきか適切な言葉は見当たりません。世界の優秀な人材を大学で見掛ける光景は日本にはありませんから、日本語でピッタリと表現できる単語は見当たらないのです。兎に角、人材の集まり方は凄まじく、世界中の政治家、官僚、企業経営者などの子どもが留学しているのです。

ここに集まっている人材の特徴は、英語は自国語と同じように使えて当たり前であること。明るくて前進する力を持っていること。他人のことを自分のことのように感じられる心を持っていること。弱い立場、苦労している立場の生徒を守る勇気を持っていること。これらが学生の特徴ですが、これらの資質は一流の大人が持っている性質と同じです。

ここに品格を持ち合わせると、一流の国際人へと成長していくことになります。品格は日本人のお家芸だと思っていましたが、世界で活躍する人材の共通の資質だと分かりました。

お会いした全ての人達は人としての品格を持っています。ここで感じる品格とは、スマートさであり涼しさと温かさです。接しているとスマートな感じがあり、見た目は涼しくて、心が温かいのです。一流の人物はそんな感じを持っています。浅ましい、見苦しい、滑稽なといった言葉とは無縁です。

話の内容は、現在を将来につなげる話題が多いのです。絶対に人の批判、悪口、自分の自慢話は言いません。一流の人物の共通した特徴はこれらものですが、中国人も外国人も全く同じで世界共通、普遍の原理だと感じました。

ところで学生の言葉に可能性を感じるものがありました。新学期から入学を希望している生徒に対して「絶対に待っているからな。4年間一緒に勉強も経験もしよう。4年間よろしく頼む。そして4年間だけではなくて卒業した後もずっと付き合うことになるから、そのつもりで」と握手をしながら言葉を掛けている光景がありました。これは二人の将来が輝く光景でした。余裕や自信が無ければ発することができない言葉です。

「自分はここから先に行くので、君も自分の道を見つけてそれぞれの道で世界のトップに立とう」という気持ちが言葉から読み取ることができます。世界中から集まっている人材が目指している場所は世界のトップであり歴史なのです。現代という舞台を全力で生き、その結果が歴史に残るようにしたいと思っているようです。目指しているところは世界のトップですから小さなことは考えてもいないし目にも留まらないのです。

ライバルに対して蹴落とそうだとか、相手よりも先に行こうという小さな気持ちは全く無く、自分が切り拓いて前進する道と同じように前進して欲しいという気持ちが漂っています。

こんな生徒がいる環境で学ぶのですから人材を輩出できますし、毎年留学希望者が世界中からやってくるのです。優秀な留学生を受け入れるためには、同大学で学ぶ中国人も優秀である必要があります。切磋琢磨という熟語もこの大学の学生のためにあるように感じました。