コラム
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2014/5/2
1455    リピート率

「人は何によって商品をリピートして購入しているか」という話を聞かせてもらいました。興味深いデータを説明してもらいました。

要素は商品と人の二種類だけです。商品が良ければ○、まずまずなら△、ダメなら×とします。人については、対応や印象が良ければ○、まずまずなら△、ダメなら×を記します。その結果は次のようになります。

  • 商品が○、人も○ならリピート率は87パーセントです。
  • 商品が△、人も△ならリピート率は9パーセントです。
  • 商品が○、人が×ならリピート率は7パーセントです。
  • 商品が×、人が○ならリピート率は64パーセントです。

面白い結果です。商品が良く、人の対応も良ければ、お客さんはその商品を引き続いて購入してくれます。でも商品が良くても対応する人の印象が悪ければ、次はその商品を購入してくれないのです。ところが商品が良くなかったとしても、対応した人の印象が良ければ、リピートにつながる率は比較的高いのです。

つまりリピート率に人が関係する割合は高いのです。優れた商品開発は大切ですが、それと同じくらいに販売する人、担当する人の資質が売れ続けるためには必要なのです。

ここで言う人の資質とは仕事のスキルや商品知識ではなくて、その人が持っている人間性なのです。お客さんは商品知識が豊富な人よりも、温かみがある人、親切な人、優しい人から商品を買いたがっているのです。

ところが働く人は自分の仕事には熱心ですが、お客さんに熱心でない場合があります。自分に与えられた仕事には熱心に取り組むのですが、その会社や商品を提供する目的であるお客さんの方を向いていない場合が意外と多いのです。

会社の目的は、永続的な社会貢献と、従業員とその家族の物心両面の幸せを実現することにあります。良い商品をお客さんに使ってもらうことで快適性と豊かさを実感してもらい、その結果、幸せを感じてもらうことが商品を売る目的です。そして商品が売れることで会社は利益が得られ、従業員さんに報酬として支払われます。従業員さんとその家族は、生活をするための所得を得られることで物心とも幸せになれるのです。

ですから企業は社会に役に立つ存在であり続ける必要がありますし、そのためには良い商品を提供する必要があります。そこで商品開発や商品を売ることに熱心となり、肝心の自分の人間的魅力を磨くことを怠ることがあります。商品が売れるのは良い商品であることと取り扱う人の人間性ですから、人間的魅力を向上させることとお客さんのことを思う気持ちが必要です。

人間性がなく中途半端な人は、不満や文句、批判ばかりしています。そんな人から商品を購入したいと思う人はいません。仮に商品力が劣っていたとしても、この人から買いたいと思ってくれるような人になりたいと思います。

人は見えないものを感じる力を持っています。お客さんも当然その力を持っていますから、私達は見えない力を持つことが求められます。それは親切、温かさ、思いやりといった、見えない心の力です。会社や社会は、見える商品と見えない人の力で成り立っています。