コラム
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2014/4/21
1448    数は力

議会では数は力と言われています。民主主義議会では議員の過半数を占めると議案を可決することができますし、意見書などを採択することができます。どれだけが頑張っても過半数を確保できなければ意見を通すことはできません。過半数を超えることが意見を通すために必要な数字です。同じことが会社の役員会や自治会の総会などでも言えます。過半数を確保することが執行部の意見を通すために必要な数字なのです。

さて違う意味で数は力だということを感じることがありました。和歌山市内の某自治会内の道路が狭いため対応して欲しいという要望を受けた時の現場での出来事です。道路が緩くカーブになっている箇所の道路幅が狭いので車が対抗できない場所があります。更に問題は消防車や救急車の車幅の方が広いため、この道路を通行できないことです。そのため当該地域に進入する際は、この道路を迂回して違う道路から進入することになっています。火事や急病人が現れた場合は一刻を争いますから、緊急車両が進入できないで迂回することは問題になります。緊急車両が迂回路から進入した場合、約10分、到着が遅れることになるそうです。到着が遅れることは生命や財産に関わる問題なので何とかして欲しいという地元要望があったのです。

そこで地元に入って意見を聞くことにしました。その時、道路の支障移設に関わる事業者の方も一緒に参加してもらいました。最初は自治会長と自治会副会長の二名が現場で立会いをしてくれたのですが、数分後に地元自治会員の方が現場にやってきて、10名以上の方々が現場立会いをしてくれたのです。十数名の方が現場に来て現場状況の説明に参加することは大きなプレッシャーになりました。つくづく数は力だと感じました。無言のプレッシャーであり、何かと対応しなければという気持ちが高まることになります。

この数の力は、地元の皆さんが強い関心を持っていることを示すものであり、子どもの代に生活し易い環境を残したいと思う気持ちが表れているものでした。この問題を放置しておくことは問題を先送りすることであり、行政としての役割を果そうとしていないと思わせる力があると感じました。

何か問題が発生した場合、集まってもらうこと、つまり動員することがありますし、署名を集めることもあります。どれだけの意味があるのかと思うこともありますが、数は力だという感覚を持っていると、集まるだけで力になると分かりますし、多くの方々から賛同の署名を得ることも力になることが分かります。

数は力であることを知って行動することで問題を抱えている当局にプレッシャーを与えることになるのです。狭い道路の現場に10人以上の自治会員が集まるだけで、現場調査に来てくれた人は、「プレッシャーになりますし、簡単にできないとは言えない雰囲気になっています」と話したことからも、数は力であることが分かります。

イベントなどでは、人が集まるだけで80パーセントは成功したようなものだと言うことがあります。集まってくれるとイベントは成功したようなものだという根拠は、数は力であるということに尽きます。1人よりも2人、2人よりも10人、10人よりも100人集まる方が力になるのです。議員が発言力を持つのは、投票してくれた有権者の数が力になっているからです。数は力という原則を良い力として使いたいものです。