コラム
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2014/4/10
1442    受験勉強

進学校への高校受験を指導した方と懇談する機会がありました。指導を受けた生徒は難関とされる志望校に合格して、平成26年春から高校生活を過ごしています。中学三年生の時に出会った指導者の導きによって希望を叶えることができたのですが、その秘訣を聞かせてもらいました。

現代は、中学校で勉強する内容は高校を目指す生徒なら誰でも理解できる時代になっていると話してくれました。受験勉強に必要な指導は無料のインターネット動画で受講することができるからです。参考書も充実したものが並んでいるので、参考書と問題集をやれば知識は得られるということです。知識は得られるとしても、問題は難関高に合格するための勉強方法を指導することだそうです。

その指導方法で注意すべき点を教えてもらいました。

まずは参考書と問題集を一冊ずつ用意すること。そして最低3回は繰り返して学習することです。参考書を読めば、解答に至る順序は理解できるように書かれています。そして問題集を繰り返します。一回目は理解できなくても最後まで問題を解いてみること。ひとつだけ注意することがあります。解答時間を厳守することです。一つの課題の解答制限時間が30分だとすると必ず30分以内にやり終えることです。30分以上の時間を要して正解したとしても駄目なのです。どんな試験にも制限時間がありますから、問題集を解くにも制限時間を守ることは絶対です。できれば負荷をかけるために、解答時間を制限時間の80パーセントに設定します。30分の解答時間であれば24分で解答するのです。少し負荷がある方が実力は伸びるからです。このように解答時間を80パーセントに設定して、最後まで問題を解いて行きます。

二回目は答え合わせをして復習し、間違った問題と分からなかった問題だけを解いていきます。解き方を頭に入れてから二回目に取り組むため、二回目は解答時間が短くなっていきます。同じように答え合わせをしてから、間違った問題、分からなかった問題だけを三回目に挑戦します。三回目の解答時間は更に短縮されています。このように問題集を潰していきます。このように問題集を潰していくことで、分からない問題の範囲をなくしていくのです。

そして繰り返すことにはもう一つの意味があります。最初は解けなかった問題を、繰り返すことで自分の力で正解できるようになります。この達成感、そして小さな自信が実力につながっていくのです。達成感を味わうことは、自信を持つことと実力を伸ばすことへとつながります。問題集を解いていくことで、自分には「できる」という達成感を何度も繰り返していくのです。この小さな成功体験が自信となり、次々に他の科目を勉強する気持ちにつながるのです。

これが基礎的な勉強方法だそうです。1.最低三回は同じことを繰り返すこと。2.制限時間を80パーセントに圧縮させて小さな負荷をかけること。3.小さくても達成感を何度も味わうこと。このみっつが能力を向上させていくのです。同じ勉強をしていても伸びる生徒はこれらのことを実践しています。同じようにスタートしてもゴールが違うのは勉強方法が違うからです。基本を大切にすることが、遠回りに思っても早くゴールに辿り着くための最善の方法です。仕事や人生の歩き方も同じことだと思います。