コラム
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2014/2/26
1416    意外と大丈夫

作家であり東京都教育委員の乙武洋匡さんの講演を聴かせてもらいました。最も印象に残ったことがあります。「今まで一番辛かったことは何でしょうか」という会場からの質問に対して、「自分が変わっているのかも知れませんが、辛かったことはありません。意外にたいしたことはなかったです」という答えでした。言うまでもなく1998年に出版された五体不満足の作者であり、これまで大変な苦労をしてきたと思いますが、「たいしたことはない」と言い切っているのです。人生は意外とたいしたことに出会わないということです。

これは心の持ち方だと思います。批判や苦情の大半は落書きレベルの幼稚なものであり、本質的なものではないことを知ると心が楽になるようです。辛いと思うのは、枝葉の批判に心を囚われているからです。誰が書いたか分からないトイレの落書きを見てもたいしたことがないように、インターネットの匿名による批判に心を砕かないことです。

自分が行動して出会う案件は解決できるものばかりなので、問題にぶち当たっても「たいしたことはない」と思うことです。

乙武洋匡さんが心の持ち方を変えると辛いことはない、そして意外とたいしたことはないと言っているのですから、私達はもっと「たいしたことのない世界」で生きていると言えます。「たいしたことがない」と舐めてはいけませんが、他人からの批判を恐れることや不安を感じる必要もありません。常に、やらない人がやっている人を批判するのですから。

本気でやっている人は、同じように本気でやっている人を批判することはありません。それどころかあなたを応援してくれています。批判する人は自分がその行動を起こしていない人であり、自ら行動している人は応援してくれる人です。

そとして何故やらないかが問題です。やらない理由として考えられることは、勝負をして負けることを恐れているからです。本気を出して負けると言い訳ができないからです。

もし勝負を避けるなら言い訳ができます。「もし私が出場して、本気を出していたら勝っていた」という言い訳です。勝負をして本気を出して負けたとしたら、言い訳をすることができません。だから自分は勝負をしないで、観客席から本気で勝負をしている人を批判するのです。

繰り返しますが、言い訳をする人は負けるのか怖いのです。特に本気を出して負けることを恐れているのです。だから勝負を避けますし、勝ち負けを決める出場をしないのです。

本気を出して負けることや本気を出しても合格しないと自分で分かっていると勝負を避けたがります。試験を受けないでおこうとします。何故なら結果が出なければ「やっていたらできていた」、「受けていたら合格していた」と言い逃れることができるからです。

勝負を避ける人は、本気を出してもできない自分の実力を認めることが怖いのです。

でも勝負を避けることや、本気を出すことを恐れていることは格好悪いことです。それよりも本気を出して挑戦することが格好の良いことなのです。本気を出して、挑戦して負けたとしても、自分の実力が分かりますからこの次に向かうことができます。

乙武洋匡さんの講演から学んだこと。1.自分が行動を起こすと、それらは意外とたいしたことはないこと。2.本気を出して勝負をすることが自分を成長させてくれること。3.勝負を避けることは格好悪いことで、本気を出すことは格好の良いこと、です。