コラム
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2014/2/4
1401    プロの仕事

プロ野球に人材を輩出している高校の公式野球部OBと話をする機会がありました。現役のプロ野球選手も参加するOB会にも出席していて、その時の話からプロ野球選手の凄さを教えてもらいました。

A選手は現役時代に首位打者にも輝いた選手です。A選手が現役の頃、当時、高校生だったこのOBが遠征した時、その宿舎に来てくれたそうです。そこでA選手が伝えたことは、「上手くなるには練習をすること。僕は一日1,000本の素振りをしている」ということだったのです。試合がある日でも、試合を終えた後自宅に戻ってから1,000本のスイングをしていたのです。高校生がそのことについて尋ねると「1,000本素振りをしないと気持ちが悪くて眠れない」と答えたそうです。プロ選手の凄さ、首位打者を獲得した選手の凄さが分かります。輝いている影で誰よりも多くの練習をしているのです。

毎日の素振りが日常化されているのですから、苦にならないで1,000本のスイングを成し遂げているのです。無理をしないでも、頑張らなくてもできるまで習慣化できるとレベルは上がって行きます。練習以外に上達する方法はないことを伝えてくれたようです。

次に話しに出たB選手の、現役時代は天才的な選手だったので基本に忠実だという印象はありません。ところが野球場で観戦していると全力プレーをしていたそうです。

内野ゴロで確実にアウトになるような時でも一塁まで全力で走っていたのです。ベテランの域に達して全力疾走などしないと思っていたようですが、実際は基本を守り全力プレーをしていたのです。一つのプレーで手を抜くと、どんどん手抜きが増えていくので、一つのプレーを大切にすることは基本です。アウトになると分かっていても全力で走ること。それが一流選手の心構えです。確実にアウトになるようなセカンドゴロでも全力疾走をしている姿は一流の証だと感じたそうです。確かに、野球も仕事も同じで、手抜きをしている姿を見ていると「格好悪い」と思います。どんなに追い込まれた状況でも全力にプレーをしている姿に感動するのです。全力を尽くすのは格好が良くて、手を抜くことは格好悪いと思って日常を過ごしたいものです。

C選手はテレビで観ていると身体が細いのですが、実際に会うと手や足は牛のように太いそうです。プロは力とスピードが必要ですが、アマチュアよりも格段上の体力を作る必要があります。強い身体にスピードを身につけるための練習をしているのです。

D選手はレギュラーを獲得した後も、試合前の自分のポジションのグラウンド整備は自分で行っていました。イレギュラーバウンドをしないように自分で整備していたのです。試合の中でのエラーを人の責任にしないのはプロ意識です。エラーをしないように自分で整備をするのも高いプロ意識です。準備体操、グラブの手入れ、ポジションの確認など全てを怠らないのがプロの選手です。

プロ意識の低い人は、練習が嫌い、人が見ていなければ手を抜く、自分の失敗を人の責任にします。

私達は社会で生きるのですから、その分野のプロだといえます。プロである限り、人よりも練習量を多く保つのは当然ですし、どんな状況でも全力プレーをすることも当然です。そして自分の仕事の前工程にも自分が責任を持ち、人の責任にしない覚悟を持ちたいものです。