コラム
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2013/12/11
1377    天の風

和歌山市内にあるジンギスカン料理「けむり屋」さん。とても美味しくて、人も空気も温かくて、おもてなしがあって、と何拍子も揃っている気持ちの良いお店です。ここでの食事はお腹も心も満腹にして、温めてくれます。

けむり屋の経営者である木村さんと懇談しながら食事を楽しみました。話をしていると、木村さんは経営すること、お客さんと接することで自らの成長を心掛けていることが分かりました。そんな経営者としての気持ちを伝えるように、客席には木村さんによる書が飾られています。私が座った席には「先に行かせてあげられる人が、結極、先に行くんだよ」そして「今日はいい日だよ。感謝、感謝ありがとう」という飾りがありました。素敵な言葉だと思い写真を撮らせてもらいました。

そこから考え方に影響の与えた人の話に展開していきました。小林正観さん、斉藤一人さんの名前が出てきました。私が中村天風さんだと伝えると、やはり知っていました。天風哲学は、あくまでも積極的思考です。どんな状況にあっても、人生は心一つの置きどころなのです。悲しいと思うと悲しくなります。腹が立つと思うと腹が立ちます。楽しいと思うと楽しくなります。そして幸せだと思うと幸せになります。これは人としての絶対的法則です。

悲しいと思っているのに、楽しい感情のある人はいません。楽しくて笑っているのに、面白くないと思う人はいません。もしいるとすれば、精神状態の危ない人ですから気をつけるべきです。

中村天風さんは私の考え方の根本になっています。毎年使用している手帳は天風手帳ですし、書棚には天風さんの書物が並んでいます。心は羅針盤のようなもので、関心のあるところに心を向けると、心はそこに向かって身体は行動することになります。心を向けるだけでそこに到達しようと動くのです。心は人生の羅針盤の役割を果してくれています。

さて食事から数週間を経た後日、とても素晴らしい郵便物が届けられました。開封してみると木村さんからの素晴らしい贈り物でした。額に入った木村さんによる作品は「自分だけが成功しようとするよりも、君に成功を贈る事を喜びとしているあきひろ君に幸福という名の天の風が吹くんだよ」という言葉が書かれていました。

もう感謝、感謝、感謝の気持ちでいっぱいです。ある時、木村さんと中村天風さんの著書「君に成功を贈る」の話をしていたのですが、この贈り物にはその著書の言葉が取り入れられています。覚えてくれていて作品に仕上げて贈り届けてくれたのですから、とても嬉しいことです。木村さんの心、行動、思いに移してくれたこと感謝しています。

この作品を前に、2013年版の手帳の最初のページを開いてみました。そこにはこう書かれています。「人としてこの世に生まれて一番大切なことは、人に好かれる人間になることだよ」という教訓です。一年の初めにこの言葉を読んでいたのですが、12月になると忘れていました。

木村さんの心と行動は、正に人に好かれる人間になる行為です。お客さんに満足を提供し、お金をいただくことが経営者して考えることですが、そこに感謝の気持ちが込められていると、感じのいいお店では終わらなくなります。人に好かれる人とお店になり、経営者の、働く人の、そしてお客さんの繁栄につながります。