コラム
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2013/11/6
1356    質と自信

水彩画教室を主宰している玉岡さんの作品はやさしさに溢れています。玉岡さんは毎年多くの作品を描いています。作品展では新作を拝見させてもらいました。その時の話し合いの様子です。

私も気をつけていることですが、いち早く得た情報は、直ぐに必要な人や所管に伝えることが大切だと考えています。勿論個人情報保護法に抵触しないことや開示してはいけない情報は閉まっておきますが、それ以外は鮮度がある時が必要な時だと思うので、必要としている人に伝えることにしています。情報は鮮度が命ですし、時期を逸した情報の価値はなくなります。情報は手放すことと蓄積することの両方が必要なのです。

作品の性質は分かりませんが、描いた時が最も輝いている時だと思います。季節感のあるも作品であれば、描き終えた時が鑑賞するに際して旬の時期だと思うのです。勿論、作品の価値はいつ公開するのかによって影響されないものですが、作品を見てもらうことで価値を図ることができますから、完成した時が鑑賞に適した時だと思います。

作品は蓄積しているだけでは作品として完成していないように感じます。鑑賞してもらうことで作品として認められ市民権を得るように感じます。出来上がった作品を公開し、それを続けることで作品が増えきた時に個展の開催や作品集の作成などを行うことが理想のように思います。

政治家の発言も時期は大切ですし、時宜を得た発言に価値があります。それらの発言が積み重なって実績になるのです。発言をしないでいて「いざという時のために温存している」ことはあり得ません。発言や情報は温存していると価値はなくなるものだからです。

絵画に関しての素人の意見ですが、同じ場所、同じ季節を描いたとしても、今年の作品と来年の作品は違った作品になると思います。作者の感じ方も、技術も、その場所の季節感も違うからです。そして違うから良いのです。今年の作品で訴えたいことと来年の作品で訴えたいことが違うのは、人が成長としていくものだから当然のことなのです。

何よりも鑑賞してもらうことで意見や感想を聞かせてもらうことができます。それが次の作品を生み出すための参考になると思います。作者の意図と違う感想があったり、思いもしない解釈があるかも知れません。そんな観点が新鮮であり楽しくもあるのです。そして違う視点を持つことで、次の作品の質が高まるのです。自分だけの価値観で見ているだけでは作品の発展性はないように感じます。景観は人によって見え方が違いますし、感じ方も違いますから、多くの視点を取り入れることで伝える力が高まるように思います。

それは政治家が、人の意見を聞いて自分のものにすることで発言の質が高まり、自信を持てることと似ています。発言したことを裏付ける資料や皆さんからの意見があると質が高まりますし、仮に反論があったとしても自信を持って対応することができます。

質疑という実践の場が議論の質を高め自信を持たせてくれるのです。一人で風呂の中や勉強部屋で発表の練習をしていても、実践の場で発言をしないことには実力は高まらないのです。それは人の評価や支持、或いは批判に曝されていないからです。

描いた作品も同じように人からの感想や支持、批判があって質が高まると思います。情報も発言も、そして作品も、旬の時期に公開することで質も自信も高まります。