コラム
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2013/10/23
1348    歌と思い出

歌の力はとても偉大だと思います。ある時、You Tubeで好きな歌を聴こうという時間がありました。頭に浮かんだ歌を聴いているとこれまで生きてきた時代が歌と共に蘇えってきます。歌で時代を辿ると、とても懐かしく幸せな時間になります。

サザンオールスターズの「真夏の果実」と「涙のキッス」は、時代の夏と秋を感じさせてくれるものです。夏の輝きとその後に訪れる切ない季節の情景が浮かんできます。「ピースとハイライト」は、今の時代にどんなことが起きるのかによって、これからの思い出が違ってきます。

個人的に好きなデビー・ブーンの「You light up my life」と「If ever I see you again」は古い歌ですが、今聴いても色褪せていません。1980年代を感じながらも新鮮な気持ちになれます。

スターダストレビューの「めぐり逢えてよかった」と「トワイライト・アヴェニュー」は説明が必要ないほどの名曲です。昔の歌のようでもあり、今の歌のようにも感じます。時代を超えて引き継がれるのは、こんな歌のことを言うように思います。きっと当時のライブを知らない人達も、この歌を聴いて素敵なドラマを作るんだろうなと感じます。

自分の人生の背景にこれらの歌が流れているとすれば、それはとても素敵な人生になります。幸せな時は幸せを感じる歌が頭の中と心の中で流れます。幸せに感じている時に、こんな歌を思い出して自分の中に流れてくるようです。

心の中に歌が聴こえてくる。そんな毎日が過ごせたら、とても嬉しいことです。

それにしてもYou Tubeは凄いと思います。消えていた歌も歌詞もメロディも、そして心の情景も時代も蘇らせてくれるからです。人は自分に関ることでも、過去のほとんどのことは忘れてしまっています。覚えているのは、生きてきた中のほんの少しだけのように思います。

以前のコラムにも書きましたが、ある人が「自分の人生は特別なので、特別な出来事がたくさんある。自伝を書いて伝えたいことがたくさんあるんだ。エピソードもあり過ぎて何かを書くか選択することは大変だ」と思って、これまで生きていたことを書き始めたのです。どれだけ大量の原稿になるかと思っていたけれど、思い出す限りの出来事とエピソードを書き終えた時、そこには本にすれば一冊程度の分量があるだけだったのです。

自分は特別な生き方をしていると思っていますが、人生を記録にして残そうとしても、ほんのわずかな文章になるだけです。こんなに頑張って生きてきたのに「たったこれだけ」と思うくらいささやかな人生を過ごしているのです。

信じられないと思うのであれば、これまでの人生をパソコンに書き込んでみて下さい。きっと書くエピソードが少なくて驚くと思います。だから自分の人生で得たことを伝えるために、これから起きる出来事や思うことを書き記す習慣をつけて欲しいのです。これからの人生で得られることを書き記すだけでも価値のあることです。書かなければどんな重大な出来事でも振り返ると何も残らないことは確実です。

これから起きる出来事に期待していますし、そこにはどんな歌が流れているのかも楽しみです。これから始まる人生の後半戦に期待しています。