コラム
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2013/9/10
1323    東京オリンピック開催決定

嬉しいニュースです。2013年9月8日、2020年東京オリンピックが決定しました。1964年、昭和39年以来の二度目の開催決定は本当に嬉しいニュースです。競技でない現地からの放送を寝ないで、朝方の決定の瞬間まで起きて見ていた人が周囲にこれだけ多くいることに驚いていますが、それだけ国民的関心事だということです。東京開催決定を確信していましたから、8日の夜は安心して寝たのですが、翌朝の東京オリンピック決定のニュースを見て、やはり感動しました。

2020年開催ですから、今回の決定は2013年の今日から7年後の未来のことになります。現在の現役選手で東京オリンピックに出場できる人は少ないと思います。現在の中学生や高校生が候補選手の対象になると思われます。つまり私達は自分のことではなくて、未来の選手達のために、現在の子どもたちの希望のために、今回の開催への挑戦を試みていたのです。

首相や東京都知事など、7年後も現職でいる可能性は低いと思う人が命懸けで決定までの道程を歩き、取り組んだことに感動しているのです。

東京オリンピックが実現するのは7年先の未来です。誘致決定から数えると10年近くの時間が必要となったことでしょう。10年後の未来のために今頑張れる人がたくさんいたことがわが国に輝かしい未来をプレゼントしてくれたのです。

前回の東京オリンピックは昭和39年のことですから、その当時のことは昭和36年生まれの私は記憶にありません。ただ東京で開催されたオリンピックのことは小さい頃から知っていますし、これを契機に日本が高度成長に向かったことも知っています。

ただ誘致まで10年近く月日を要していたことを、今回改めて知ることになりました。あの当時も東京オリンピックに出場できなかった一世代前の選手が、見ることのできなかった関係者が日本のために命懸けで決定に漕ぎ着けてくれていたのです。

オリンピック開催という現実を作り出すために10年以上の時間を要しているのです。このことを知ったことで感動を覚えています。東京にオリンピックを呼んだ男として、フレッド・和田勇さんの生き様を読んだことがあります。和歌山県出身でアメリカ在住のフレッド氏が祖国日本の発展ために、自らの全てを掛けて南米などを訪問し東京オリンピックを実現させてくれた経緯があります。勿論一人の力で実現できたものではありませんが、当時の関係者が、その時にあり得た人生の全てを掛けて実現させてくれたのです。

今回は2013年に現役、そして立場ある人達が実現に向けた命懸けの活動をしてくれたと思います。その取り組みが現実の姿になるのが7年後であり、恩恵を受け取るのが7年後のオリンピック選手であり、7年後に立場に立つ人達です。

夢を実現させることに要する時間と熱意と行動。そして夢の期日が決定し、それに迎える日を感じながら生きられる幸せ。そして7年後に生まれるドラマに期待する日々。多くの関係者の夢が日本国全体の夢へと展開されたのです。

2020年の未来から受け取れる素晴らしいプレゼントです。そして私達は未来の選手のために、スポーツの環境作りの他、平和で争いがなく、治安も経済も安定した国を作る必要があります。将来とも国が安定していることが、オリンピックを向かえるに際しての私達の使命です。私達はオリンピック開催まで一緒に伴走することを義務付けられました。