コラム
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2013/8/26
1314    4000本安打

偉大な記録です。ニューヨーク・ヤンキースのイチロー選手が日米通算4,000本安打を達成しました。この記録に関してはメジャーでは議論があるようですが、現実の数字として4,000本があるのですから、これを認めるとか認めないとか言う話は小さな話です。イチロー選手のインタビューは何かをビンビン感じさせてくれます。

イチロー選手の4,000本安打のインタビューは美しさを感じます。熟成した言葉の香りというものを感じます。言葉の香りに酔えるという感覚があります。偉大な記録を達成した時に発した言葉の奏でる美しさを堪能して下さい。

「こういうときに思うのは、別にいい結果を生んできたことを誇れる自分ではないんですよね。誇れることがあるとすると、4千のヒットを打つには8千回以上は悔しい思いをしてきている。それと常に向き合ってきたことの事実はある。誇れるとしたらそこ」。

4,000本の陰に8,000回の悔しい思いが潜んでいること。私達の人生も同じです。悔しい思いをしないために努力をすることがとても大事です。

「毎日同じことを繰り返す、厳密に言うとすべて同じではないんですけども、そういうことで自分を安定した状態にもっていくというテクニックはあると思います。ただ、それを毎日継続できたとしても精神が常に安定するとは限らない。ただ、その時点の自分でできること、考えられることをやっておきたいということですね。それでも結果的に不安定な状態になることはもちろんあります。特によくない結果だったり、難しいゲームの後というのは、気持ちを整理するのがとても難しい状態にあることがあるので、いつも続けていることをまた続ける、その日も続けることが時々、しんどいなあと思うことがありますけど、そこは頑張りを見せるとこでしょうね。それは自分で続けてきたつもりです」。

「いえいえ、僕、満足いっぱいしてますからね。今日だってものすごい満足してるし、それを重ねないと僕は駄目だと思うんですよね。満足したらそれで終わりだと言いますが、とても弱い人の発想ですよね。僕は満足を重ねないと次が生まれないと思っている。ものすごいちっちゃいことでも満足するし、達成感も時には感じる。それを感じることによって次が生まれてくる。まだまだだと言い聞かせている人はしんどいですよ。じゃあ何を目標にしたらいいのですか。嬉しかったら喜べばいいんですよ」。

小さなことに満足できる心を持つこと。満足できることが幸せであり、小さな幸せを掴む毎日を過ごしたいものです。

「毎日プレーすることによって20年近くプレーして、平均して毎年200本打っているのは、それなりの数字だと思います。今もそうですが、今日の結果がないと明日はない。1本目を打った時に4,000本を目指しますと言ったらバカじゃないかと言われるでしょ」。

何かを始めなければ何を言ってもニセモノであるということ。1本を打った時に4,000本を打つと言っても信用されません。一歩を踏み出してそれを継続することで何かを達成することが確信に変わります。1本打ったくらいで大きなことを言わないこと。積み重ねてこそ大きなことを言えるのです。

偉大な記録達成に付け加える言葉も解説も必要はありません。ただただインタビューの言葉をじっくりと味わいたいものです。