もうシアトル・マリナーズの岩隈久志選手という方が似合います。二年が経過しただけで東北楽天ゴールデンイーグルスの岩隈投手は遠い昔の呼称になっています。人は環境で全く違う人物に変わるものだと感じます。
新しい環境に挑むすべての人に贈るメッセージと題した岩隈久志さんの「感情をコントロールする技術」を読みました。逆境、挫折、不安、ピンチなどのプレッシャーから逃げずに立ち向かうために経験から得たことが書かれています。
戦っている世界は違うけれど役立つことばかり書かれています。
「実戦の場でいきなり難しいことをしようとしたり、いつも以上に力を出そうとしたりしても無理なのは分かり切っています。不安を払拭してくれる唯一の薬は自信であり、その自信は小さな成功の積み重ねによってもたらされるのです。目の前の小さな目標をひとつひとつクリアするようにすればミスの代償は小さくてすみますし、新たな一歩も踏み出しやすくなります。そして、それこそが大きな成功の近道でもあります。」
どんな人も同じことを言っています。突然大きな成功が訪れることはありません。常に目の前にあることの小さな一つひとつの積み重ねが、遠くまで行くために必要なこと。そして小さな積み重ねがとんでもないところに到達するたった一つの方法である。そんな言葉も聞くことがあります。
日頃できていないことが実戦の場でできることはありません。奇跡が起きてもできることはありません。奇跡は小さな技術や知識が蓄積されていて、それが組み合わさって起こるものであり、何も無いのに突然できるものではないのです。
学校で数学を選択していなければ、仮に数学の試験を受けても合格点に達することはありません。電気工事をしたこともないのに、電気工事ができることはありません。議員として、例えば福祉のことを勉強していなければ、公式の場面で福祉に関する質疑を交わすことはできないのです。
いつもやっていることはできますが、やっていないことはできません。だからやろうと思っていることは日頃からやっておく必要があります。しかも確実性を身に付けるために何度も何度もやっておく必要があります。確実性が乏しければ実戦で使うことはできませんし、実力を発揮することもできません。尤も確実性の乏しい技術を実力とは言いませんが・・。
プロは常に一定のレベルの仕事ができます。つまり確実性があるのはプロの仕事です。不安定で、できるかどうかその時でなければ分からないようではプロとは言いません。
そして自分がコントロールできるものだけをすれば良いのであって、自分がコントロールできないものはどうしようもないのですからやらない、気にしないという選択以外はありません。コントロールできるものを確かに自分のモノにするためにやる。
自分がやろうとしている分野にだけ、毎日、全力を尽くして挑み、そんな毎日の小さな積み重ねを実行すること。たった今。できることをやる。毎日の中でできることはそれだけなのです。それ以外のことはできません。寝るか勉強するか。止まっているか、動き始めるか。
今やりたいことは何なのか。繰り返しますが、今この時の小さな積み重ね以外に、遠くまで行く方法はありません。