コラム
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2013/6/21
1277    責任ある立場

人は二つの立場を取ることができます。ひとつは責任を取る立場。もうひとつは被害者の立場です。責任を取る立場に立つことは、文字通り責任をとらなければならないのです。ですから大抵の場合、責任ある立場を取りたがりません。責任を回避するために「私は被害者です」という立場を取るのです。「そんなことはありません」と思う人がありますが、本人は気付いていないのです。

責任を取るということは、導かれた全ての結果に対して自分が責任者であるという立場でいることです。決して他人の責任にしない。社会の責任にしないことが責任ある立場に立つことです。ですから責任を取れないような判断や行動はすべきではありません。自分で決める、そして自分の思うことを実行することで責任を取れるのです。人任せ、他人任せでは、失敗した場合は自己責任を回避したがります。「自分はやりたくなかったのです」、「あの人が言うからやっただけ」など言い訳のオンパレードと自分で自分が被害者であることを演出するのです。

責任者の立場を取っている人からすると、とても見苦しくてみっともない態度なのです。

人は責任ある立場を取りたいのですが、責任よりも被害者いる方が楽な場合があり、責任ある立場を取らない人がいるのも事実です。

ある実験で「責任者」と「被害者」という言葉が紙に書かれていました。その紙を会議室の床に置きました。参加者の一人に「あなたはどちらの立場を取りますか」と質問があったのですが、その参加者はどちらを選ぶのか相当の時間、躊躇していました。責任者とは自分の人生の責任者であり、自分の人生で起きる出来事に対しては全て責任を取る覚悟が必要です。対して被害者の立場でいると、自ら責任を取る必要はありませんから、常に「上手くいかないのは誰かが悪い」、「誰かが私を理解してくれないので上手くいかない」という考えになります。

被害者でいる限りは責任ある決断を取ることは出来ません。つまり主体的な生き方ができないということです。責任を回避する人生は自分に降りかかる出来事は全て被害者という立場に立ちますから、決して幸せな人生を歩けるものではありません。何故なら、責任を回避し続けることで被害者を演じ続けるからです。その方が生き甲斐はありませんが、生きることが楽なのです。

仕事をしないで親から仕送りをしてもらう生活はとても楽です。「自分が仕事をしていないのは親が仕事を見つけてくれなかったからだ」などの被害者的発想により、仕事がないのは親の責任にしています。仕事がないのは自分の責任であるという立場を取らなければ、被害者の立場を脱することはできません。

責任者の立場は自分が人生の主体ですから、つまずいて辛くて厳しいことがあります。被害者の立場でいると自分に責任がないと考えますから楽な立場でいられます。

でも充実した人生にするためには、自分が責任ある立場を取る必要があります。自分が考えて行動するので、これから人生で起きる責任は全て自分で取るという覚悟があると、困難に直面しても自分で解決する力が発揮できるのです。

責任ある立場で自分が主役、自分が源泉という気持ちで人生を生きたいものです。