コラム
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2013/6/18
1274    可能性

可能性には意味があります。可能性と言っても二つの意味があるのです。

ひとつは、いつか、そのうちという可能性です。いつか、そのうち訪れてくれると期待している可能性です。宝くじで4億円が当たることや、自分に最適な仕事がやってきてくれること。そして突然自分に仕事のオファーが抱えきれないほどやって来ること。これらは可能性と言いますが、未来において実現することはないであろう可能性です。

何故ならこの可能性には、今すぐという気持ちが起こらないからです。

もう一つの可能性は今の可能性です。今すぐやることで訪れる可能性があります。いつかそれうちの可能性と今すぐの可能性は全く違う可能性です。

今すぐの可能性には行動が伴います。行動が伴う可能性は実現可能な可能性なのです。つまり可能性のある可能性です。

二の違いを見てみます。机の下に導火線に火がついた爆弾があるとします。それを発見したあなたは直ぐに行動を取ります。つまりそこから逃げ離れることです。その爆弾は直ぐに爆発する危険性があるので、あなたに逃げるという行動を起こさせたのです。行動をすることで自分が助かる可能性が現実のものになったのです。

ところが机の下に爆弾を発見したのですが引火していませんでした。あなたはどんな行動を取りますか。先の事例のように咄嗟の行動は取らないはずです。何故なら今すぐ危険性がないからです。今すぐのことに直面していなければ人は行動しないのです。

可能性はこれと全く同じです。今すぐ行動することで可能性は現実のモノにすることができますが、今すぐ行動しなければ可能性は可能性のままで現実のモノにはならないのです。

つまり可能性とは今ここにしかないのです。いまここにあるものが実現できる可能性であり、いつかそのうちの可能性とは違う種類のものなのです。

言い方を変えると可能性とは、放置しておくと腐ってしまうものなのです。夏に牛乳を高温の場所においておくと腐ってしまいます。腐らさないためには冷蔵庫に保管します。可能性も腐る性質を持っています。でも腐らさないで保管する方法があります。それは可能性を言葉にして誰かの耳に届けることです。自分の可能性は誰かの耳に届けることで保管されるのです。自分の心に保管しておくと腐ってしまうので可能性はなくなります。繰り返しますが、可能性は自分のところで保管していると腐ってしまい、相手の耳に届けると保管されるものです。

このことは可能性を自分が言葉にして誰かに伝えることで、現実のモノになるように動き出すことを示しています。可能性は多くの人に伝えなければ腐ってしまいます。腐った可能性は実現しない、いつかそのうちの可能性になってしまいます。

可能性を宣言することで動き出しますから、可能性を宣言し誰かに伝えることが必要です。

誰にでも可能性はあります。可能性は今すぐ行動を起こすことで現実のモノになり、相手の耳に届けることで保管される性質を持っています。いつかそのうちの可能性や自分ひとりで抱えている可能性は腐ってしまうものなので、可能性はあっても現実のモノにはならないのです。多くの人はそんな可能性を持っているに過ぎないのです。

現実のモノになる今直ぐの可能性と、相手の耳に届ける可能性だけを持ちたいものです。