コラム
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2013/6/14
1273    コートに立つ

「できないものはできない。だからできることに挑戦すべき」と教えてくれました。サツマイモで発電をする方法の話をしていたときのことです。それを聞いていた人が「サツマイモで発電ができるのであれば、雑草でも発電できる方法を考えたらエネルギーは無限にある」と言いました。それに対して「雑草はエネルギー量が少ないので、燃やしても発電に必要なエネルギーを取り出すことができません。燃やすだけなので発電に用いることはできません」と答えてくれました。

つまりできないことをどれだけ追求しても理論的にできないのであって、それを追求し続けることは無駄なことだと言えます。それに対して今はできないけれども、突き詰めるとできる可能性があれば、やってみる価値はあるのです。サツマイモで発電をすることは今はやれないけれども、やってみれば可能性はあるという発電方式だそうです。

できることに挑戦し続けることが、しなければならないことです。残念ながら、できないものはできないのです。野球でイチロー選手のようにメジャーで活躍すると思っても、野球をして才能が花開かなかった人には、それは決してできません。オリンピックに出場したいと思っても、何の競技で目指すのか定まっていない人には出場できません。勉強していないのに自分でやっているように思っている人は、東大を目指して勉強をしている人のように東大に入れません。

できないことはできないのですから、できることを見つけてそれに挑戦することが、今やるべきことなのです。

サツマイモで発電はできるかも知れませんが、雑草で発電することはできないのです。できないことを追求する時間は成果を生み出せないので、もったいない時間となります。

例えばスマートフォンを使いこなすという目標はできる目標です。スマートフォンは誰にでも使いやすいことを目指した商品だと思います。スマートフォンの操作ができないのは、やろうとしていないだけなのです。やろうとすればできるものの典型です。このように今はできないとしても、やろうとすればできることを見つけて、それに挑戦する姿勢を持つことが大事です。

そして人生の勝負を左右できるのはコートの中に立つ人だけであり、観客席にいても勝負に影響はありません。コートに立つ人だけが勝負に参加できるのです。観客席に座って試合について言葉を交わしたとしても、勝負の行方には全く関係がありません。結果を見てから意見をする評論家に過ぎないのです。「もっと前に出ないと」、「左に来るのは分かっていたのに」などの話をしても勝負には影響しないのです。

ところがコートで交わす言葉は勝負に影響を与えます。「次は前に出るから」とパートナーに伝えたり、サインを送ったりすることは勝負に直接影響するものです。コートに立つことが人生の勝負に参加することなのです。コートに立つことを恐れていると勝負はできません。コートに立つということは自分の人生の責任者になることです。

勝ち負けよりも大事なことは人生のコートに立つということです。コートに立つことで初めて自分の人生をコントロールできる立場になります。観客席から自分の人生を眺めていて評論するのはもう止めたいものです。どんな時でもコートに立つ自分でありたいものです。