コラム
コラム
2013/6/5
1267    全てに感謝

お見舞いに行く。お悔やみに行く。そんな機会をたくさん持たせてもらっています。人生を生き抜いている多くの人に出会うことで人生勉強させてもらっています。人の生き方は人の数だけあって正解も不正解もありません。しかし生きていることが宝物であって、そんなきらきらと輝く日を過ごせることが幸せだと気付くのです。以下、誤解のないようにして欲しいのですが、病気に倒れた人、ベッドで寝ている人、そんな皆さんから学んだことを素直に記すものです。

いつか歩けなくなる日がやってきます。転倒防止など安全面の観点から、入院中は十分な歩行ができないように制限されることがあります。自分の意思で歩けることがどれだけ幸せなことか気付きます。歩けることに感謝です。

話をすることは幸せなことなのです。脳梗塞などで入院している人が、「以前のような話をすることができなくなりました。話が聞き取り難いでしょう」と話してくれることがあります。自由に言葉を操れることがどれだけ素晴らしいことかを知りました。思ったことを言葉で表現できること。自分を表現できて人と意思疎通が図れる。言葉は本当に素晴らしいものです。言葉によって話を交わすことができる。自分の思いを伝えることができるのです。挨拶をする。昨日の出来事の話をする。夢を語る。思いを伝える。どれもこれも大切なことばかりです。

握手をする。別れの握手をする時があります。病院にお見舞いにいって、病室を去る時に握手を交わす。「また来るからね」の言葉を添えて。しかしその「また」が訪れない時があるのです。期日のない約束は叶わないことが多いのです。会いたい人や大切な要件がある時は、期日を設定して握手をしましょう。最後の握手になるなんて思わないでいたのに、そうなってしまった。そんな後悔をしないように、握手は笑顔で再び会う約束を添えて交わしましょう。笑顔で握手ができることは幸せなことです。

何度も握手を交わすことかできるのは幸せな証拠です。

本を読むことができることも幸せな出来事です。病室で痛みに耐えている時やしんどくて本を読む気にもならない人がいます。自分の意思で知識を得ることができる読書は素晴らしい行為です。その気になればいつでも本を読める。何と素晴らしいことなのでしょうか。知識を得るための読書は簡単にできます。余りに簡単なので気付かないけれども、本を読めることは幸せなことなのです。

朝目覚めることができること。夜、明日の朝に不安がないこと。何も思わないで夜寝られて、普通に朝目覚めることは人生で一番幸せなことのひとつです。いつか、明日目覚めないかもしれないと不安に思って寝る日が訪れるかも知れません。朝、いつものように目が覚めて、「良かった。今日も生きられた」と思う日が訪れるかも知れません。いま何の不安もなく夜と朝を迎えられていることは、絶対に幸せなことです。朝は希望を招いてくれますし、夜は安息と魂が再生する時間を与えてくれます。夜に身体の蘇えりのために深い眠りに入り、朝は希望をもって目覚める。今日も与えられた役割を果たせる喜びを感じられます。

一日の最初と最後に幸せを感じられることは素晴らしいことです。

私達は奇跡のような毎日を生きています。それに気付くと全てに感謝したくなります。