コラム
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2013/5/21
1259    実践と運

元東北楽天ゴールデンイーグルスの野村克也監督の講演を聞かせてもらいました。一流のプロ野球人は一流の考えを持っていて、社会人として必要なその一部を披露してくれました。

野球界でもビジネスでも一流になるために必要ことは次のようなことです。

意思と忍耐力を持っていること。自分が目指すべき明確な意思を持っていることと、その過程に訪れる不安と恐怖、そして困難に耐えていく力は最低限必要なものです。

そして逆境にあってその環境を楽しめる性格も武器として持ちたいものです。耐えることは辛いことですが、その中においても楽しさを感じることだそうです。実際に、その環境にあれば難しいと思いますが、参考にしたい項目です。

感じる力と考える力は何を実行するにも原動力となります。物事を見てそれをどう活かすかを感じ、考えることが原動力なのです。逆に鈍感は人にとって最大の悪魔と言われることがあるように、気付かないことも問題です。

そして最も大事なことは判断力と決断力を有していることです。このふたつには違いがあります。判断力には判断基準があります。だから基準に基づいて実行する、実行しないを決められる力です。ところが決断に基準はありません。自分が自分の意思に基づいて決めることが決断ですから、こちらの力の方が高いエネルギーが必要です。決断するための条件はたったひとつです。それは勇気です。勇気を持っている人だけが決断することができます。人は岐路に差し掛かった時、決断するか決断しないかで道は変わります。決断した人は意思に基づいた人生を送ることができますが、決断しない人は与えられた人生を歩くことになります。決断しないという選択は、その時において意思を持たないということです。

そんな決断を下せると良き協力者が現れてくれます。人は決断したことであっても一人でそれを実行することはできません。そこに協力者が現れてくれるなら、その道は正しいのです。どんなビジネスでもボランティアでも必ず協力者が必要です。

そして決断したからには過去を背負わず現在から未来を考えることです。過ぎ去った過去は変えることは出来ません。勿論、後になってその出来事に関しての考え方を変えることによって意味は変えられますが、それよりも将来のなりたい姿を描いて、現在できることは何なのかを考える方が楽しくもあり簡単でもあります。まだ事実として発生していないものなのだから、後悔することも意味付けをすることも必要ありません。

ですから計画、実行、確認の作業を行うことです。計画したことを実行する、そして実行した結果を検証することが分析能力として必要です。

最後に、プロ野球界でもビジネスでも目標を成し遂げている人に共通しているものがあります。それは運が良かったということです。運は必ず必要なものです。そんな運を引き寄せるために必要なことが、これまで話してくれたことを実践することだと思います。

箇条書きします。意思力と忍耐力。逆境を楽しむ。感じる力と考える力。判断と決断。協力者の存在。計画、実行、確認作業。現在から将来を考えること。

これらのことを実践していれば運は味方になってくれるようです。これらのことを実践するのは難しいと考える人もいると思います。だから実践する人は少数派となり、運は少数の人のところにだけ訪れているのです。実践なくしても運もありません。