コラム
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2013/5/15
1255    やるべき全てのこと

「高校の勉強は大学受験と関係ないのでやっても無駄。こんな受験に関係ない無駄な勉強をしていると大学に合格しない」という高校三年生がいます。

「大学受験用の勉強をしたい気持ちは分かるけれど、では学校の定期テストの成績は良いの」と聞くと「定期テストは受験に関係ないので勉強していないから、テストの点数は良くない」と答えてくれました。

高校の勉強が大学に向かっての道ではないと思っているようですが、定期テストの点数が取れないで、どうして大学に合格することができるのでしょうか。日常の勉強の結果が定期テストの結果として現れ、高校三年間の勉強の成果が大学受験の結果として現れるのです。

高校三年間の勉強を疎かにして、授業に気を向けずに受験勉強をしても結果が伴うことはありません。

更に「進学校は高校三年になると受験勉強をしているのに、どうしてこの高校は受験勉強をしないのか。まだ教科書に沿って授業をしていることに腹が立つ」と言っています。

またまたおかしな論理です。進学校に通っていないのに、どうしてそんなことが分かるのでしょうか。これは情報誌やインターネットでの情報ですが、直接の情報ではないのでそれが真実かどうか分かりません。

それ以前に、授業内容に基づいた定期テストでも点数を取れていないのに高校二年まで高校三年間の勉強をやり終えて、三年生の時に受験勉強を行ってくれたとしても、果たして理解できるのでしょうか。日常の勉強で成果が出せていないのに受験で結果を出せることはありません。仮に日常の勉強を理解していないで大学受験用の勉強をしても、その内容を理解できることはありません。

勉強でも社会においても全て基礎が土台となります。基礎ができていないのに応用できる力がつくことはありません。

「高校で出される宿題は無駄。答えを写して早くやり終えて受験勉強に専念したい」ということも話しています。「宿題が無駄なら早くやり終えたら良いのでは」と問うと、「答えが分からないので時間がかかってしまうので問題の答えが欲しい」ということです。宿題を解けないのに、どうして受験問題が解けるのでしょうか。ここでも言うことに自己矛盾しています。公立高校の宿題の多くは基礎問題です。奇問、難問、応用問題が提出されるとこはありません。基礎問題を確実に解けることが大学受験に続く道です。

結局、目の前の勉強から逃げているだけなのです。高校の授業が分からないので、受験勉強という分野の勉強をしたら成績が上がるという全く根拠のない逃げの姿勢なのです。

基礎力が全てです。立ち向かう姿勢が全てです。今の授業を理解することが全てです。定期テストで自分の今の実力を確認し、分からないところは復習することが全てです。

これらの全てをすることが結果に直結しているのです。これらの今やるべき全てのことをやらないで、何をやろうとしているのですか。

宿題の答えを入手しそれを写して、翌日先生に提出すること。今のこの授業に身を入れないで他の勉強をすること。そんなことをしていると今を無駄に過ごすだけで、何も身につかないから。今やるべき全てのことをしなければ。どこにも行けないから。