コラム
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2013/4/25
1244    噂話

おもしろい話を伺いました。「良い噂は隣の家で止まりますが、悪い噂は隣の村まで聞こえる」という話です。良い話は伝わり難いのですが、悪い話は光の速さで遠くまで伝わるようです。

そう言えば和歌山市に住む文化人が言ったことがあります。ある日、JR和歌山駅でくしゃみをして、バスに乗って自宅に帰りました。自宅に帰った途端に電話が鳴りました。

「先生、風邪を引いたのですか」という連絡でした。「どうして」と聞いたところ、「和歌山駅でくしゃみをしたと聞いたから」という答えが返ってきました。その文化人は苦笑したのです。このように噂が伝わる速度は本人よりも速いのです。しかも悪い噂は彗星のように尾ひれがついて伝わって行きます。全く違う話になって本人の知らない間に伝わります。

今まで何度も、事実とは違う予期しない話に展開している場面に遭遇したことがあります。彗星のように流れてしまった噂話を打ち消すことは簡単なことではありません。

ところが良い話は中々伝わらないのです。良い話は隣の家で止まるとは良く言ったものです。例えば和歌山県議会での一般質問や活動などは、報道されることは稀ですし、街で評判になることは少ないのです。自分の活動は自分で伝える以外にないのですが、それでも中々伝わらないので苦労しています。(笑)

悪いことを噂するよりも良いことを噂にすれば気持ちは良くなることは確実ですし、社会は信頼に満ちて明るくなると思います。ニュースは事件を多く報道するけれど、良い出来事に比重を置いて報道してくれたら良い社会になるのにと本当に思います。

良いことは人に伝える。良いことを話の話題にする。それだけで社会は変わるように思うのです。良いことは良い波動になり伝わりますが、それをしていない人が多いから話の内容を良い内容に変えるだけで、自分の周囲だけでも変わります。明るくて元気な話に囲まれている方が、暗くて嫌な話に囲まれているよりも楽しいことは請け合いです。

私は決して人の悪口を言わない人を知っています。「その人の悪口を言っても、その人が社会で生かされないだけです。それよりも生かすことを考えるべきです。どんな人でも褒めてその能力を活かすようにすれば良い方向で力を発揮してくれます。悪口を言うよりも褒めて社会で役に立つ活動をしてもらう方が気持ち良いでしょう」と常に話してくれます。

人は悪口や悪い噂で社会から抹消することができます。しかし一つの能力を社会から消してしまうこと、活動の場を失わせることは社会全体の損失です。そして悪口からは悪口が誕生するものです。人の批判をする人は、今度はどこかで誰かから批判されることになります。

悪党という言葉があります。悪は徒党を組むということです。悪は悪を招き、その数は膨れ上がり強大になります。反対に善党という言葉はありません。善が集まることは難しいから、こんな言葉はないのです。悪の心は誰の心にも潜んでいます。せめて自分だけは人の悪口を言わないで、悪が徒党を組むことを防ぎたいものです。

善は小さくて多くないけれども、善で徒党を組めるようにしたいと思います。悪口は言わないこと。悪口の話の輪に入らないこと。それが善を貫くためにすべき態度です。

せめて自分の周囲だけでも、良い噂を隣の村まで聞こえるように伝え、悪い噂は自分のところで止めるようにしたいものです。それだけで周囲が変わります。