コラム
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2013/4/2
1227    要望への対応

行政の職員さんと話をしても満足しないのは理由があります。そんな話を聞かせてもらいました。

市民からの要望に対して、その言い分を認めないこと。要望の多くは現状を改善して欲しいというものであり、要望に応えるためには行政機関として何かのアクションが必要となります。組織というよりも担当部門、小さい単位では班が要望に応じた仕事をすることになります。要望がなければこれらの仕事をしなくても良いので、できるなら「あなたの要望は実現困難ですよ」だとか「法律または条令、規則などでできないことになっています」と答える方が楽なのです。つまり市民の皆さんからの要望に対して否定から入る場合があります。

しかし否定から入られると相談にならないのです。何を言っても否定、否定で話し合いになりません。要望の全てが聞き入れられるとは思っていないとしても、役所を訪問しているのですから、まずは要望を聞く姿勢を持って欲しいのです。

市民の皆さんからの相談に対して、聞く姿勢を持つことが信頼されることになります。否定ではなく聞く姿勢が、話し合いに入るために必要なことです。

役所が否定の態度があれば、市民の皆さんは言いたいことも言えなくなります。結局、要望に行ったけれど聞いてくれない。対応してくれない。不親切。言いたいことが言えなかった、などの不満だけが残るのです。

誰でも同じだと思いますが、知らない会社や組織に行くことや訪問した時は緊張するものです。県庁や市役所を訪れる時も慣れていなければ不安と緊張があります。「どこに行けば相談に応じてくれるのだろう」、「担当者はどんな人だろう」と不安に思っているのです。

毎日県庁や市役所に出勤している職員さんは、建物の雰囲気に慣れているので何とも思いませんが、初めて来庁する人はアウェイですから言いたいことも言えないことがあります。

そんな背景を推測し、訪れた方の話を聞く姿勢が必要なのです。10の言いたいことがあれば10話せる雰囲気を作って応対して欲しいのです。

今では役所の多くの職員さんは親切丁寧に応対してくれます。行政の仕事はサービス業だという意識が高まっているからです。

市民、県民の方々のために役所は存在しているのです。経済的問題や暮らしの縛りなどを全て捨象して市民の皆さんが自由に移動できる世界があるとします。多くの人が移動してしまって今よりも人口が減少すると思うような市でれば、市民サービスもその市での暮らしにも満足していないことになります。間違いなく人口が増えると思える自信のある市であれば、現在の市民サービスレベルは高い水準にあると思います。

要望が実現してもしなくても、最初の役所を訪問した段階の対応が最も大切なポイントです。話を聞いてくれて信頼できる役所、要望の実現に向けて相談に乗ってくれる職員さんがいれば、結果保証がされているものではなくても満足度は高くなります。

今のままで全てが整いこれで良いという市はありません。市は常に発展していますし、暮らしは向上するものです。環境変化に応じて要望が発生するのは当然のことです。それを面倒くさい仕事と思わずに、市を発展させるチャンス、期待に応えるチャンスだと思って相談に応じて欲しいものです。