コラム
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2013/2/18
1197    気を向けるもの

「政治には気を向けるものが必要だよ。それは和歌山県でも同じことだと思うよ」と切り出しから話が始まりました。わが国第一級の方からの話です。確かに安倍内閣は国民である私達に気を向けさせてくれています。今までにない規模での経済再生。尖閣諸島への対応など外交問題。そして本丸の憲法改正についてなど、気を向けさせています。

もう昔のことのように思いますが、平成24年12月の総選挙では、当時の安倍総裁が大胆な経済対策を実行すると発言し、日銀が反発するほどの経済対策を実行するのかという期待に気が向きました。対して民主党の野田前総理は、経済対策に対する積極的な発言はなく、気を向かせるものがありませんでした。それが全てとは言いませんが、気を向けてもらうことは政治を実行していくために必要なものです。

国政で気を向けるものはたくさんあります。経済再生。TPPの参加の是非。原子力発電所の問題。尖閣諸島や竹島などの外交問題。沖縄の米軍基地移転問題など、ずらっと関心事が並びます。国政への関心が薄らぐことはありません。

では和歌山県政で気を向けさせるものを考えて見ます。地域経済再生は気を向けてもらえるもののひとつです。但し地方自治体では金融政策は実行することはできせんから、どうしてもスケール感がありません。政府の実施しようとしている金融政策と比較すると、中小企業支援対策としての資金面での支援制度や進歩的な事業に対する支援などになり、大胆さを打ち出すことは難しいところです。

防災対策は気を向けてもらえる政策です。しかし将来地域が活性化するという夢や希望を提供できる性質のものではなく、安全と安心を守りで実現させるための政策ですから、地味な感じがあります。

そこで気を向けてもらえるものとして次世代エネルギーの開発があります。和歌山県ではメタンハイドレートの調査事業に着手しました。次世代エネルギーを和歌山県が確保すれば県益にもなり国益にもなり、そしてわが国はイギリスのようにエネルギー問題から解放されることにもなります。

わが国は世界有数の海洋国家であり、海域を含めた領土を含めると世界の大国です。これだけの海洋資源を有する国は少なく、将来とも世界のリーダーとして君臨できる国が日本なのです。そして和歌山県の海岸線は約600kmという長い海岸線を有しています。メタンハイドレートだけではなく、他の海洋資源を求めることに気を向けさせることができるのです。

和歌山県だけではなく国レベルの課題に挑戦できるのが、次世代エネルギー調査であり採掘に向けての政策なのです。

そして既に和歌山県は御坊市と御坊発電所、海南市と海南発電所が共生している姿があり、電力輸出県になっています。ここに新エネルギーと次世代エネルギーが加えられると、エネルギー輸出県としての地位が確立できます。国の根幹であるエネルギーを扱える和歌山県の環境を活かしたエネルギー政策が、和歌山県の皆さんに気を向けてもらえるものだと考えています。気を向けるもの。どんな立場であっても考えるべきことです。