コラム
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2012/12/27
1171    クリスマスカード

スターバックスから毎年クリスマス時期になると、素敵なクリスマスカードが届きます。冬の寒い時期ですが、カードが届くと何故か嬉しくて温かい気持ちになれます。個人を大切にするスターバックスという組織の凄さを感じることができます。

「スターバックスはコーヒーを売っているサービス産業ではなくて、感動の経験を売っている」元スターバックスコーヒージャパンの岩田松雄さんがその著書「MISSION」に書いています。期待を超える感動体験を味わえることがスターバックスの強さであり、従業員さんのレベルの高さなのです。

そして毎年、クリスマスカードを贈ってくれる人も、スターバックスの店舗開発部の方なのです。数回、仕事をしたことがあるだけで、ずっとクリスマスカードを贈ってくれる。そんな「いつまでも忘れていないですよ」と伝えてくれる気持ちを届けてくれているのです。これは時間を越えて毎年、感動体験をさせてくれているのです。

スターバックスはお客さんが希望して、出来ないと思うようなことでも場合によっては出来るようにしてくれることがあります。僕が接した仕事は次のようなものでした。

和歌山県内にスターバックスの店舗がない市があります。そこでイベントを開催することに成りました。イベントの出し物や出店してくれる店舗構成は決定しました。アンケートやこれまでの経験からお客さんが望んでいるものは用意できたと思っていました。そんな時、企画に参加しているある女性がこう言いました。「この市の人はスターバックスのコーヒーを飲みたいけれど飲めない環境にあります。何とかしてスターバックスのコーヒーをお客さまに提供したいと思います」という一言です。

普通であれば、「スターバックスの店舗がないにコーヒーを飲める訳がない。そんなことは実現できない」と意見を一蹴してしまうところです。ところがその女性は諦めないで、私に連絡をしてきたのです。

「スターバックスのコーヒーをイベントでお客差に味わってもらいたいのだけれど何とかなりませんか」。根拠はないのに、その時、何とかなると感じました。「一度当たってみます」と回答をしてスターバックスの知人に依頼したのです。「スターバックスのコーヒーをイベントに参加してくれるお客さまに飲ませてあげたいと思っています。出店してくれませんか」とかなり無理な依頼をしました。

その知人は少し考えて、「出せるかも知れません」と答えてくれました。数回の打ち合わせをした後、イベントへのスターバックスの出店が決りました。店舗がないのに、店舗と同様のものをイベント会場に持ち込んでくれて、一日限りの特設スターバックスを出店してくれたのです。スターバックスのない市ですから、お客さまは大喜びで長い列を作りました。

イベントに一つだけ欠けていた期待を超える感動体験を提供できたのです。それはお客さまに喜んでもらいたいと考えた女性スタッフの行動力と、それに対応してくれたスターバックスがいたからです。私も会場を訪れたお客さまも、もっとスターバックスのファンになったのは言うまでもありません。一枚のカードは、そんなことを思い出させてくれます。