コラム
コラム
2012/12/3
1154    人生の扉

シャンソン歌手のmiyaさんの歌は感情豊かでとても素敵です。心ある大切なものを伝えてくれているようで歌が心に届いてきます。秋のライブで特に心に届いたのは「人生の扉」という歌です。人生はゴールを目指して道を歩くのですが、その道路の岐路には扉があります。扉の前に立って、どちらの扉を開いてこの先に行くのかを決断する場面かは誰にでも訪れます。これまでも扉の前に立ってきましたし、これからも扉の前に立つ日は必ずあります。

どちらの扉を開けても戻ることはできません。扉を開けて一歩踏み出すと、その扉は消えてなくなっているのです。戻れない人生は道路上の扉を開けながら進みます。そしてまた歩き続けると扉がある。今度は後悔しないように慎重に開く扉を決めて前に進もうとします。それでも迷いながらの決断をすることになります。

人生は立ち止まり、迷いながらの決断の連続です。そしてどんな決断を自ら下しても、時々はもう片方の扉を開けるべきだったかなと迷うことがあります。迷うことがあるけれど決してその時には戻れない。だから後悔があっても自分が選択した今の道を歩いていく、それが人生なのです。

ライブ終了後、miyaさんに「ところで誰の曲なのですか」と聞いたところ、竹内まりやさんの曲だということを知りました。著作権の問題から引用することは控えますが、余りに歌詞が素敵なので一部分だけ記します。

「陽気にはしゃいでた 幼い日は遠く、気がつけば五十路を越えた私がいる。信じられない速さで時は過ぎ去ると知ってしまったら、どんな小さなことも覚えていたいと心が言ったよ。

I say it's fun to be 20    20歳って楽しいって言うと

You say it's great to be 30  あなたは30歳って素晴らしいって言います

And they say it's lovely to be 40 みんな40歳って美しいって言うけれど

But I feel it's nice to be 50  私は50歳って素敵だと感じています
満開の桜や 色づく山の紅葉を、この先いったい何度 見ることになるだろう。

I say it's fine to be 60      60歳って元気だねと言うと

You say it's alright to be 70   あなたは70歳でも大丈夫よと言います

And they say it's still good to be 80   みんな80歳でもまだまだいけると言います

But I'll maybe live over 90  私はたぶん90歳以上生きるでしょうね

君のデニムの青が褪せてゆくほど味わい増すように、長い旅路の果てに輝く何かが誰にでもあるさ」。

長く生きて来ると、この歌詞の素敵さが分かります。若い時代であれば歌詞の深さは分からないと思います。人生の深さを教えてもらえるライブがあります。そんなライブに行けていることに感謝するばかりです。ライブで人生の深さを教われる、そして気付かされることがあります。

そう言えばライブとは生きることの意味です。ライブとは一人では完成しないものであり、人との交流によって成り立っていることも知りました。そしてみんなと交流して感動を分かち合うためには、ライブに向かって一人で練習を続けなければならないことも知りました。努力して初めて舞台に立つことができます。そして感動を与え与えられるのです。

人生の素晴らしさを伝えてくれた素敵なライブにありがとう。これまでの人生にありがとう。そしてこれから迎える人生にありがとう。