コラム
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2012/11/13
1142    田中三兄弟

ロンドンオリンピック日本体操の代表選手に選ばれた田中三兄弟の父親であり和歌山県立北高校の教諭が田中章二先生です。田中先生から話を伺う機会がありました。夢を持って行動することが実現につながることを改めて学ぶことができました。競技層の厚い日本体操選手団から兄弟三人がオリンピックに揃って出場することは空前絶後のことだと思います。そんな奇跡の物語の一端を覗かせてもらいました。

体操とは演技であり、それは一瞬で消えてしまうものだけれど人の心に残像として残るものでもあります。ロンドンオリンピックでの田中さん兄弟の活躍は忘れることはありません。2012年に輝いた瞬間を、確かに私達は心の残像として記憶しています。

田中三兄弟がオリンピック出場を果たしたのは夢を持つことから始まっています。夢を目標に変え、実現するための計画を作りました。そして実行するのですが、実行に必要なものは努力と根性です。根性のない実行力はあり得ません。努力をしない目標もあり得ません。実行すれば何でも達成できると思うのは間違いで、努力と根性と言う、忘れ去られているような言葉の裏づけが伴った実行力が必要なのです。それがあって初めて試合に臨めるのです。

そして試合では勝利の女神を引き込む力が必要となります。勝利の女神を引き込む方法は思い切り本気になって、ワクワク、ドキドキしながら楽しむことです。

試合は緊張、不安感、恐怖心、そして失敗への恐れなど平常心が崩れる要素ばかりが心から湧き上がります。これらの感情は競技を邪魔するものばかりですから、心から追い出すことが必要になります。

追い出すための方法は思い切ってやることです。思い切りとは、自分を信じて負の要素を切り捨てることなのです。負の要素を切り捨てると、ワクワク、ドキドキしながら本気で楽しむことができます。その精神に変化させられると試合を楽しみながら結果を得ることができるのです。やるだけのことをやり切って、そして自分を信じて思い切り打ち込むことが勝利の女神を引き寄せるのです。

2010年の世界選手権から始まったロンドンへの道、小学校1年生の時から夢に描いていたオリンピックへの道。夢を全てを達成した三兄弟は本気の力を身に付けていたのです。

本気の力とは本気で目標を目指すことです。でもその前段には努力と根性によって自分をそのレベルにまで実力を引き上げておかなければなりません。オリンピック強化指定選手に選ばれないレベルで夢を語っていても絵空事です。レベルを高めてから言葉で夢を語ることが、夢を実現するために必要なことなのです。夢を描きながら努力を継続すること。そして自分のレベルを高めて周囲に宣言しても恥ずかしくないランクに達した時、周囲に夢を語ることで思いは実現に向かいます。もし夢に近づかないとすれば、夢を語れるレベルに達していないこと、努力が不足していることを自覚することから再び行動を始めたいものです。

ロンドンオリンピックでの田中三兄弟の体操は、夢をあきらめないこと、そして不安感や恐怖心に打ち勝った三人の戦いでもあったのです。人間に付き纏う感情と戦い打ち勝って演じた試合に感動するのは当然のことです。感動の影にはドラマが存在していました。