コラム
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2012/10/12
1124    やらない理由の原因

「仕事と人が大好き。だから仕事をしていても人と会っていても全く疲れないし、とても楽しいのです。私に必要なものは時間だけです。もっと仕事をしたいし人にも会いたいのですが、その時間がないので私から多くの幸せを与えられる人が限られているのが残念です」と話してくれた経営者がいます。

この方は日本と世界を駆け巡っている方ですが、私は幸運なことに毎月一度会うことができているのです。SG会という懇親会に参加しているのですが、これはサクセスグループ会の略称で、各界経営者の集まりとなっています。ビジネスで成功した人やこれから成功を目指す人がこれまでの経験を基にして議論を交わしています。経験者は若い人たちにメッセージを伝え、若い人たちはここで気付きを与えられています。

但し、会合で発表した今月やるべきものとして掲げた目標をやらなかった場合は、次の会合でやらなかった理由を発表することになります。一ヶ月単位で目標を各自が設定し、実践することを目指していますが、それができていなければ次に進めないのです。

一ヶ月の目標をできていないのに年度目標を達成することはできませんし、自分の目指す大きな目標に到達することも叶わなくなります。まずは直近の一ヶ月の目標をやりどけることが最初の目標となります。

一ヶ月の目標ですから大きな目標にはなりません。達成可能な目標を掲げるのですが、それでもできない場合があります。やらなかった理由の発表を聞くと、その理由が単純なものであることが分かります。

「8月は暑くてやる気がでなかった」、「やろうと思っている間に一ヶ月が過ぎていた」、「忙しくてやれなかった」、「やろうと思っていたけれどやらなかった」など、実に単純な理由であり、かつ他人の妨害ではなくて自分に責任がある理由ばかりです。

経験者からは指導が入ります。「暑いのを理由にしていると寒いのも理由になりますよ。自分がやろうとしなければやれません」、「忙しくてできなかったのは、やろうと思っていなかったからです。その目標は本当にあなたがやりたいことにつながっていますか」、「一ヶ月時間があるのにやらなかったのは、あなたの目標設定が誤っているからです。やりたいことを目指すのであれば、まず一ヶ月の目標をやりどけることを目指すことです」などです。

他人のやらなかった理由を聞いていると、やれるのにやらなかったことが分かります。ところが自分に置き換えるとやれなかった理由が分からなくなるのです。分からないというよりも、やれなかった理由を自分で探して自分を正当化する行動に入ります。自分を正当化することが、できないことの原因なのです。それをやるのは自分であり他人ではないのです。自分で行動を起こすことが、それをやり遂げるためのたった一つの条件なのです。

この経営者は「私でできることがあれば何でも協力します。でもできないことは協力できません」と話しています。それは自分が主体的に行動を起こすのであれば支援するけれど、自分が行動しないで人に頼るようでは支援しませんという意味です。人生の主体は自分です。最初の一ヶ月、やろうと思うことをやり遂げると弾みがつきます。