ある経営者が訪ねてきてくれました。そして「週末の読売新聞の広告を見たか」と聞かれました。「見ていません」と答えると、「秋元さんは天才だよ。凄い広告を出している。感動を伝えられる才能のある人だから、次々にヒット曲を出し、社会現象を起こしていることが分かる。読んでごらん」と伝えられたので、早速、その広告を見ました。シンプルなエピソードが感動を伝えてくれました。
もう評判になっている広告ですから伝える必要もありませんが、見ていない人のために読売新聞から全文引用します。
ダンスの振りが覚えられずに、毎回、居残りレッスンを受けていたメンバーがいた。
グループの中では、“落ちこぼれ”だったかもしれない。
それでも、弱音を吐くことなく、レッスンルームの鏡に向かって、黙々と練習していた。“努力は必ず報われる”と信じて・・・。
ある時、彼女が後輩のメンバーにダンスの振りを教えている場面に遭遇した。
「私もできなかったから、気持ちが分かるんです」照れ臭そうに、彼女が言い訳をした。
彼女はごく自然にAKB48のリーダーになっていった。
特別な才能が必要なんじゃない。人の痛みがわかることが、リーダーの条件だ。 秋元康
(平成24年8月24日。読売新聞)
AKB48が証明してくれた。夢は叶うんだ。
2005年10月30日。
オーディションに合格した君たちに、僕は言った。
「東京ドームへ行こう」
全力で伸ばした掌の1ミリ先に、夢はある。 秋元康
(平成24年8月23日。読売新聞)
とてもシンプルで心に伝わるものがあります。その経営者は「リーダーは才能ではなく、人の痛みを分かることが大事だということに私は共感しています。人の痛みが分からなければリーダーになれないものです」と話してくれました。決して特殊な分野で通用する話ではなくて社会において普遍的な話なのです。人の痛みを分かり、周囲の人から推される人がリーダーになっていくのです。
もうひとつ。頑張って、頑張って、もうできない位に頑張ったその1ミリ先に夢は存在している。そのことを信じたいものです。とても素敵な夢の掴み方です。頑張らなければ夢が叶ったとしても、感動はありません。
思いっきり手を伸ばして、その1ミリ先まで伸ばしてみる感覚。是非、そんな経験をしてみたいものです。彼女達の夢は頑張った瞬間から始まりました。頑張る行動が夢を叶えるためのスタートキーです。夢を達成するまでの期間は約7年でした。7年も頑張れたから夢は叶いました。私たちは7年間も頑張っていることがありますか。あれば叶っているか、あと1ミリで叶うところまで来ています。