コラム
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2012/8/27
1099    現在は過去になる

凄い言葉として頭に入ってきました。「現在は過去になる」。この言葉の意味は凄くて恐ろしいものです。今を生きている私たちは、現在は現在として認識しています。決して過去を生きているとは思っていません。そして明日になれば、記録をしていなければ今日のことを忘れてしまっています。冗談でよく使われているように「昨日の昼食は何だった」と聞かれて忘れていることが多々あることからも、昨日の記憶でも薄らいでいます。

現在は過去になるもの。それを解釈すると、現在は過去の出来事の延長線上にあるものであり、未来から流れ込んできている時でもあります。つまり過去と未来をつなげている線の上の点が現在なのです。

現在とは、過去に起きた出来事や考え方の芽が発芽して咲いているものであり、今見ている自分という花は自分の過去の行為が咲かせたものなのです。昨日の自分が現在の自分の基になっています。10年前の自分が現在の自分になっているのです。突然、現在の自分がここにいる訳ではありません。

ロンドンオリンピックに自分が出場していないのは、過去の自分がオリンピック出場を目指さなかったからであり、その結果、オリンピックに採用されている競技種目に取り組まなかったことに起因しています。もし過去にオリンピックの競技種目に出会い、10年以上の練習を続けてきていたら、2012年の夏、日本代表としてロンドンオリンピックの舞台に立っていたかも知りないのです。現在、その場所にいないということは、過去の自分にその思いはなく、それを目指していなかったことから行動を起こしていなかったからと考えたいものです。

現在の自分が現在を作っているのであれば、現在の自分は未来の自分を創っている最中なのです。つまり現在という今の時間に、明日の自分や5年後の自分のなりたい姿を明確に描き、そのための基礎を創っていると考えたいのです。現在は、単に今日を生きているだけの意味を持っているのではなくて、未来を創っている一番大切な時間だということです。現在以外に未来を創れる時間は存在していないのです。

そうすると現在に目標を持たないで怠惰に過ごすことは、未来の自分も確実に目標もなく怠惰な生活をしています。

5年後の自分を描いて現在を生きていると、5年後は現在思い描いている自分として生きています。現在の夢が5年後の自分の立場なのです。

もう既に4年後、2016年のリオデジャネイロのオリンピックを目指している競技選手がいます。現在を生きている選手達は、もう4年後にオリンピックの舞台に立っている自分の姿を描いているのです。現在の自分が未来を作っていることが分かります。思いがあって明確に描けたら、現在、思っている場所に未来の自分が立っています。何も思いがなければ4年後も現在の自分と同じところにいます。

現在は過去になります。過去の自分が現在の自分なのです。現在に夢を持ち、それに向かうことが現在を生きていることとなのです。