コラム
コラム
2012/8/8
1091    欠かせないこと

元スポーツ選手で現在スポーツのマネジメントの仕事をしているのがHさんです。東京を拠点に仕事をしているのですが、和歌山県ともご縁があり時々話をすることがあります。そんなHさんが厳しいスポーツの仕事を成り立たせているには理由があります。ビジネス論について話を交わしたところ、その秘密が浮かび上がりました。

秘密といっても隠すべきことではありません。それはとても簡単なことだからです。

決められた期日を守ること。約束は守ること。代金の支払いはきっちりとすること。そして信頼関係を築ける仕事をすること。以上です。難しいノウハウも技術も必要ありません。勿論、スポーツ選手との人脈は必要ですが、難しいとされるスポーツビジネスで生きていくだけの仕事を持っています。その秘密は主に4項目なのです。

期日を守ることはどんな仕事をする上においても重要な要素です。とどれだけ良い内容のものでも期日に遅れると価値はなくなります。決められた期日に提出された企画だけが審査の対象となるからです。他者と競い合う仕事は、提出に一日遅れでも、一分遅れでも受け付けてくれません。未完成であっても期日を守ることがスタートラインに立てることですから、仕事において期日は絶対です。

約束は守ること。仕事を進める上において機密事項は発生します。企画が途中で他に漏れると計画が止まってしまう場合もありますし、仕事に携わっている人の他に情報が漏れると進まなくなってしまいます。仕事を進める上においてお互いの約束は守ることも絶対です。

そして代金の支払いをすること。資金がなければ仕事に着手することはできません。仕事を終えた後には代金の支払いは必要です。仕事をする場合、人材、企画力そして資金が必要です。資金がなければ、どれだけ優れた企画であっても実現することはありません。そして仕事を終えた後は、納得の行くものでなかったとしても、仕事の対価は支払うべきものです。

最後は信頼関係を築ける仕事を続けていることです。最初から大きな仕事の依頼はありませんし、仮に大きな仕事が巡ってきたとしても、経験がなく人脈もなければ成果を出すことは簡単なことではありません。Hさんは小さな仕事で成果を出し続けることを目指し、実践してきました。小さな仕事をやり遂げることを続けて、その実績がスポーツ界からの信頼へとつながっていったのです。「私ができることは小さな仕事をやり遂げることだけでした。小さな仕事をしてきた結果、大きな仕事を回してもらえるようになったのです。最初から大きな仕事は訪れません。小さな仕事を着実に行うこと、それが信頼になります。仕事は信頼できる人達とやりたいですよね」という言葉がありました。

仕事の成否は誰と一緒に行うか、一緒に仕事をする人は信頼できる人かどうかで結果は変わります。特にマネジメントとの仕事は技術や知識ではなく信頼関係で成り立っています。スポーツだけに関らず社会で生きていくためには、仕事の期日と約束を守ること。支払いをすることと多くの人から信頼されていることが欠かせないことです。