コラム
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2012/7/31
1086    生きていくための力

義務教育の目的は生きる力を与えることだといわれます。では生きる力とは何なのか、曖昧で分かり難い感じがします。勉強やスポーツをすることが生きる力を得ることになるのか、今ひとつ分かり難く感じていました。

そんな生きる力について突然閃きました。義務教育と高校時代に身に付けておくべきことは生きる力であると確信できました。生きる力とは、勉強やスポーツ、そしてアルバイト、友人関係などを通じて、社会で生きていくための力を得ることにあります。社会で生きていく力とは自分の力で所得を得ることだったのです。

勉強は何故しなければならないのか。それは学力を身に付けることが社会で必要とされているからです。学校で学び得た学力があると社会で評価されます。学校を卒業しているということは一定基準以上の学力がある証拠であり、学力がお金を得るための尺度となっているのです。つまり学力イコールお金を得る手段であり、社会で生きていくための力となっているのです。

スポーツも同じです。スポーツをやり通した経験は、協調性、根性、粘り強さなどを備えている証拠になります。社会人として必要なものは、スポーツで得られるものと似ています。競いあった時に諦めない気持ち。試合に向けての厳しい練習を耐えてきた根性。その結果、自分を高めていることが能力の向上につながっているのです。

アルバイトでも同じです。学生時代は社会経験がありませんから、お金を稼ぐ手段を知りません。アルバイトによって自分の力でお金根を稼ぐことを知ることができます。学生はアルバイトで1000円のお金を稼ぐことがどれだけ大変なことかを知ることになります。

学生時代は親が学費や生活費の面倒を見てくれますから、自分でお金を稼がなくても生きていけます。でもお金がなければ勉強することもスポーツをすることもできません。まして収入を得ないで生きていくことは社会においては厳しいのです。

生きる力とは社会で生きていく力のことであり、社会で生きていく力とは自分の力でお金を稼げることなのです。人に迷惑を掛けないで生きていることは自立していることです。お金を稼げなければどうなるのか。親や友人、知人にお金を借りることになります。依頼される方はとても迷惑です。お金を稼ぐためにはそれに要した時間、貯蓄しておくだけで価値があるものですから簡単に貸せるのではありません。自分でお金を稼げないから友人に借りるという方法は、社会人として失格ですし、生きる力に欠けていると言わざるを得ません。

お金を借りるとはその相手の時間を借りることです。その人の大切な時間を借りる行為を、大人として社会人として行ってはいけないことです。学生時代は生きる力を身に付けることが目的です。社会で誰にも迷惑をかけないで生きていける力を身に付けることです。

勉強はお金を稼ぐために必要です。何かをやり続けた経験は社会で役立ちます。他人に迷惑を掛けてはいけません。社会で必要とされる人になる。それらが生きていくための力なのです。