コラム
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2012/7/17
1076    習うこと

上達するための秘訣があります。それはとても簡単なことです。専門家やプロと呼ばれる人について習うことです。自己流で上達することはあっても限界があります。そして一度ついた癖は中々抜けないので、習ったとしても上達の邪魔になります。

専門家につくことが大事だと思ったのは、写真撮影について話を聞いた時です。

旅先で素晴らしい風景だと思ってシャッターを切る。感動的な場面に出くわしてシャッターを切る。デジタルカメラになってシャッターを切る機会が多くなった今、良くあることです。しかし写真を撮って後に写真を再生してみると、感動のない場面になっている場合があります。「あれっ、こんな光景だったかな」だとか、「余り感動する場面でもなかったのかな」など思うことがあります。素晴らしい光景でも写真で見るとつまらない場面になっていることがあるのです。

それは写真撮影の基礎ができていないからです。専門家と写真撮影に関する話をしたり、写真を習うと、知識を得ることができます。「時間のある時に来て下さい。忙しいと思いますから、1回3時間でも良いので話を聞いてもらうだけで写真が分かりますから」というアドバイスをいただきました。

そして「一番早く上達する方法は専門家に習うことです」とはっきりと話してくれました。このように知識、技術、経験のある人に習うことが上達の秘訣なのです。写真が上手なのに選考会で選に選ばれない人がいます。理由は審査員の視点を持っていないからです。審査員、専門家の視点は素人の視点とは違います。専門家に習ったことのない人、専門家と深く話しをした経験のない人は、専門家の視点や考えが分かりません。つまりどこを注意すれば良いのか、どこを重点にすれば良いのか分からないのです。目指すべきところが分からなければ、良い写真は撮影できません。どこまで行ってもその視点がないからです。

習うことで短期間にその視点を身に付けることができるのです。自己流ではその視点が分かりませんから、何時まで経ってもプロの視点は持ち得ないのです。

写真の楽しさは、自分の見たものと、後に撮影した写真を見た時の差があることだと言う人もいます。現実と写真のギャップがあることで違った光景を楽しむことも良いのですが、自分の思った通りに感動が写真に詰め込まれていたとしたら、それはとても楽しいことです。プロの写真家の作品を見ると、デフォルメされて一瞬、何を撮影しているのか解らない時があります。

しかしそれは自分の視点で見ているからであって、プロは自分見た光景をそのまま作品に仕上げているのです。自分の視点で光景を見て、自分が見て心で感じた光景を作品にしているのです。視点が違う、光景の切り取り方が違うのは。プロと素人では感じ方が違うからです。

感動する写真を撮影できない場合は専門家に習うことです。写真もそうですが、何事も専門家に習うこと、意見を聞くことで輪郭が見えてきます。輪郭が見えた後は専門書を読むこと、そして自分で経験して、その視点を徐々に自分のモノにすれば良いのです。