コラム
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2012/7/10
1073    出会う人

会いたい人に会った時、会って満足するだけなら、出会ったことに関して深い意味はありません。しかし出会ったことから一緒に何かの仕事や発展があるのであれば、その出会いは意味のあることなのです。これは和歌山市内の起業家と食事に行った時の話しから教訓として得たものです。

この教訓の前提にあった発言は次のようなものです。

「この前、元総理大臣と握手をしている友人の写真が公開されていました。周囲の人に見てもらいたいという思いからだと思いますが、違和感を覚えました。それはその元総理と握手を交わしているその人が日頃から交流関係にあるだとか、価値観に共通のものがあり、これら何かを生み出す可能性があるとしたら、みんなに触れても良いと思います。しかし単に東京から和歌山市に来た時に会って写真を撮っただけならばみんなに知らせる意味がありません。まるで憧れている芸能人に会って一緒に写真を撮ってもらったので、自慢しているようなものです。仮にも会社を経営しているビジネスパーソンが、元総理と写真を撮って自慢しているのはどうかな、と思います」ということでした。

確かに芸能人に会っても交友関係がなければ、次に発展する可能性はありません。憧れの人と写真を撮るのであれば自分の宝物にすれば良いのであって、その写真を見せて回っても意味はありません。写真を見た人が、「この芸能人と一緒にいるからこの人は凄いんだ」と思うことはありません。

もしその芸能人と交友関係にあり、次の機会には和歌山市まで来てくれるだとか、和歌山県の災害復興を支援してくれることになったなど、その人に求心力があればそれは凄いと思いますが、そうでなければ自慢話に過ぎないのです。

元総理との写真も、有名人と写真を撮っておきたいという感覚です。元総理と仕事をする関係にあれば別ですが、そうでなければ余り意味のあるものではありません。それよりも相手から一緒に写真を撮ってくださいと言われるような人になりたいものです。

さてこの事例から出会いの大切さを学びました。芸能人や元総理は別として、人との出会いには意味のあるもので、そこからどう発展させていくかが大事なことです。縁とは不思議なもので、出会える人とは出会えるようになっています。そして信頼できる人からの紹介やつながりがあれば、その次に発展していくケースが多いのです。

逆に信頼性の薄い人からの紹介の場合、やはり良く似たタイプの人であることが多いのです。一緒に仕事をしたいと思う人は信頼性の高い人であり、そんな出会いを期待しています。

出会ったことに感謝、そしてご縁がある人を大切にしながら、次に発展させるための行動を取りたいものです。そしてお互いに信頼関係を築いてから、一枚の写真を撮りたいものです。きっと意味のある写真になっていますし、写真以上のつきあいになっている筈です。そのためには自分が価値のある人物になることであり、相手から会いたかったと思われるような人になりたいものです。