コラム
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2012/7/6
1071    入院二日目(平成24年6月29日)

平成24年6月県議会定例会最終日の前に日赤医療病院に向かいました。集中治療室に入院中の父親は、昨日よりも顔色が良く元気だったので少し安心しました。会話ができますし、昔の話などをして愉快な表情でした。この少しはにかんだような笑顔の表情を見ると何故だか安心します。昔は笑顔を見ることがない程怖かったのですが、年齢を重ねるに連れて笑顔が見られるようになっています。若い時の筋肉質の身体が、年齢と共にふっくらとしてきています。

趣味の話をしています。タバコ、マージャン、パチンコ、映画などがそうでした。一日30本のタバコを吸うほどのヘビースモーカーでしたが、50歳になる時に止めたような気がします。タバコを止めてから身体がふっくらとして来たと記憶しています。

マージャンは良くしていました。タバコの煙が充満している部屋の中で親戚の男性4人で夜遅くまでやっていたことは覚えています。子ども心に「何がおもしろいのだろう」と思っていたこともあり、私はタバコもマージャンもやっていません。

さて本日の血圧は、今朝が140と80、夕方は110と70位で推移していました。血圧を上昇させる点滴をしていることから血圧を上げています。徐々に点滴の量を減らして自分の力で血圧を正常値に戻すようにしていく治療です。血圧が下がると良いことはありません。何としても血圧を維持して自力で正常値に戻して欲しい、それだけです。首の静脈に点滴の針を刺し、血圧を上昇させています。心臓に近い位置から注入することで心臓のポンプ作用を働かせているのです。

「しんどくない」、「昨日よりもしんどくない」という返事。これだけの言葉がとても貴重な時で、言葉が返ってくることがこれだけ嬉しいものだと知りました。会話ができる、何と素晴らしいことなのでしょう。言葉を交わせる、こんな素晴らしい毎日を過ごしていることに感謝したくなります。

朝目覚めている。言葉を交わす人がいる。眩しい笑顔が見られる。これだけで生きている毎日は素晴らしいのです。こんな素晴らしい人に囲まれていることに気付かなければ人生は勿体無いと思います。

一晩診てくれていた医師が「昨夜はよく頑張ったと思います。呼吸器をつけなくて良かったのですから。予断は許しませんが、少し安心しています。楽しい話をしてくれますし、良いお父さんですね」と微笑みながら話してくれました。

また集中治療室の責任者の医師からは、「とても良い顔になっていますね。これだけ回復してくれたことは、とても嬉しいことです。本当に良かったですね。これだけの結果が出たことで、治療方針が間違っていないと確信しています。血液の中にばい菌が混じっているので、それがどこから入っているのか原因を突き止めます。治療はそこからになります。土曜日と日曜日もこの部屋に留まり、血圧が安定するようになれば一般病棟に移れると思います」ととても安心できる言葉を発してくれました。責任者からのこの言葉にどれだけ救われたことでしょう。言葉は人の気持ちを和らげてくれます。そして父親の様態は一夜を越えて少し回復傾向に変化しました。絶対に頑張れる。絶対に頑張る。

安心して集中治療室のベッドを後にしようとした時の寂しそうな表情がありました。一人で残されることへの不安な気持ちがその表情を作っているような気がしました。本当に一人だけでベッドに残したくないのです。早く回復して、もっとたくさんの話をしたいのです。今日も、回復に向けて頑張って。

今日の希望。医師が「お父さんの心臓だったら100歳まで大丈夫」。そんな話をしてくれました。母親や弟も笑顔になったことは言うまでもありません。昨夜の不安から少し希望の展開になったこと。希望が見えることは、とても嬉しいことなのです。