コラム
コラム
2012/6/27
1064    ペットと音楽

香港からの留学生編の最終回は、ペットと音楽についてです。付き合う相手はペットを飼っているか音楽が好きな人を選びなさいと言うアドバイスです。

先ずペット。ペットを飼うということは生き物に対する思いやりがあること、生命を預かり大切に育てるという責任感があること、そして愛情、優しさに満ちていることが必要です。思いやり、生命を尊重すること、責任感、優しさは人に対する接し方に共通するものです。ペットを飼うことで、これらの心が育成されますから、ペットを飼っている人は人としての全体条件を備えているので信頼から入れるということです。

続いて音楽。音楽を好きな人は音楽に対して夢中になっています。一つのことに夢中になる姿勢はとても大切なことです。一つのことに打ち込む、一つのことに集中する、熱い思いを相手に伝えられること。真剣になる経験を持っている人は熱意を持って取り組める仕事に出会えば、それに打ち込むことができます。これらの要素が人として信頼できることなのです。

ペットと音楽という例を挙げましたが、生命と情熱を傾けられるものを持っている人は信頼できる人なのです。ビジネスは信頼できる人とすべきものです。大きなビジネスは携わる人同士の信頼関係に基づく必要があります。信頼関係が崩れるとビジネスは必ず失敗します。良くあるのが利益配分で揉めることです。例えば5人が中心になってビジネスを着手したとします。最初のうちは気になりませんが、最終地点が見え始め、ビジネスが成立する段階になると得られる利益の見通しも立ってきます。その時の利益配分の基本は均等ですが、場合によっては配分の比率を変えようとする提案があります。即ちAさんが、「この仕事の中心は私です。私のアイデアに基づいたものであり、私の利益配分が大きくなるのは当然です」などの主張があると一気に信頼関係は崩れ冷めてしまいます。

仕事は一人でできるものではありません。例え少しの役割を果たしただけの仲間であっても、その人がいなければビジネスは成功しなかったのです。仮にBさんはそのビジネスで欠かせない人物Xさんを知っていて紹介しただけだとしても、利益配分は均等に分配すべきなのです。もしXさんが存在していなければ、そのビジネス全体が失敗に終わる危険性があったかも知れないのです。失敗していたら得られる利益はゼロです。当然のことですが発案者のAさんの取り分もゼロになります。つまりBさんが仲間でなければ、このビジネスは失敗していたことになりますから、仲間として同等の利益配分をすべきなのです。

5人の内、誰かが欠けていたらビジネスは失敗していたかも知れないのです。途中段階で誰かが離脱していても、やはり失敗していたかも知れないのです。メンバーの役割は違うのは当然です。同じ役割のメンバー複数人は不必要なのです。アイデアを出した人、アイデア実現に必要な人を紹介した人、必要箇所と調整した人、営業活動をした人など、それぞれ役割が違うのです。一人が欠けても成功していないのですから、その役割に軽重はありません。最後まで仲違いしない信頼関係を継続させることがビジネスでは重要なことなのです。そんな大事な信頼できるかどうかを見極めるヒントが、ペットと音楽なのです。